21 8月, 2011

引込線〜所沢ビエンナーレ

8月27日から第二回所沢ビエンナーレ美術展が始まる。
http://tokorozawa-biennial.com/
ビエンナーレとは2年に1回開催される(ちなみに3年に一回がトリエンナーレ)もの。第一回(2009年)は会場が西武鉄道の旧所沢車両工場だったため、引込線(電車を車両基地や工場に引き込む専用の線路)というタイトルがポスターに印刷されてた。今年の会場は所沢生涯学習センターと旧所沢市立第二中学校給食センターになっているが、展覧会のタイトルはやはり”引込線”となっている。
「美術に関心を持つ全ての人々の覚醒した意志を引き込む、吸引力のある磁場をつくり出したい」という意図が込められているそうだ。

展覧会のテーマは設けてないが、ほとんどが現代アートと呼ばれる作品群になっている。展覧会の為に作られた場所ではない(2009年の車両工場や今年の給食センター)ため、作家や作品に強い意志やコンセプトがないと、作品が場所に飲み込まれてしまう。
2009年に見に行ったとき、伊藤誠氏の体験型の展示がスゴクおもしろかった。伊藤氏は普段は立体作品を造ってらっしゃるようだが、この時は特殊な装置を頭部に装着して歩く体験型の展示だった。今回も、そのとき装着した装置がホームページに載っている(http://tokorozawa-biennial.com/ito.html)ので、また同じような体験ができるのではないか、と楽しみだ(装置写真の左上にある、参考作品写真:2009(1)(2)というカッコ内の数字をそれぞれクリックすると装着してる様子が見れます)。この写真のお皿のように見える部分には鏡が貼ってある。眼鏡のように見える部分を両目の下のほお骨に当てがうように装着すると、鏡に映った天井が足元にあるように見える仕組み。それで天井が高い会場を歩くと、奈落の底に落ちていくような感じがするのだ。そして室内からドアを抜けて外に出る時が、また一段とコワい。空に落ちていく(!)感じがする。これは、一度体験してみないとわからないコワさ&おもしろさだ。普通に歩けない。そろりそろり、と足元を確認しながら歩いてしまう。頭では地に足をつけて歩いているとわかっているのに、視覚が”ここは空です”と脳に伝えて、脳は視覚を信じようとするのだ。
また、他にも、日常の思い込みを逆転させてくれるような作品がいろいろあった。普段なかなか入れない場所(今年は給食センター)に、どんな風に作品展示してあるのかも楽しみだ。入場料無料なので、夏休み最後のお楽しみに、是非!

会場アクセス http://tokorozawa-biennial.com/access.html