30 9月, 2012

古琴(グーチン)

今夜は中秋の名月ですが、台風到来で名月は見れず…。
昨夜、友人に誘われて、渋谷のLi-Po(リーポー→李白のこと)というお店で催された、中国伝来の古い琴のライブに行ってまいりました。
題して、暦を喰らう宴・小料理李白第11夜~月見の宴~ということで、酒場料理研究家の寺尾研さんのお料理つきライブでした。

古琴は3000年の歴史だそうで、3000年前といえば日本では縄文時代と弥生時代の替わり目あたりでございます。古琴が日本に入ってきたのは平安時代だそうで、光源氏も弾いていたのだとか。
その昔、中国では知識人のたしなみであったという古琴。映画「レッドクリフ」で金城武演じる孔明も映画の中で演奏してました。

演奏なさる沖啓介さんは友人のパートナーで、現代美術作家である一方、バンド活動もされるアーチスト。古琴を習っていらっしゃることは何年も前から聞いて知っていたのですが、演奏を聴くのは初めて。

古琴は日本の琴よりも優しい音です。わりと、ビヨ〜ンって感じのつま弾き方が多いようでした。(どのような音がするのかは、こちらを聴いてください。http://www.youtube.com/watch?v=YufEeoWU5Rg&feature=related
古い日本家屋の縁側で月を見ながら、古琴を聞いたらさぞかしいいだろうなー、というような”侘び寂び”的な調べでした。
中にはその弾き方がライ・クーダーのギターのように聞こえる曲があって、中国の大地じゃなくてアリゾナの大地の風景が脳裏に浮かんだりもしたオーバリーです。

演奏を聴きながらいただいた寺尾さんのお料理も絶品揃い。お酒がなくてももちろん美味しくいただけるのですが、今宵ばかりはお酒の飲めないことが悔やまれたオーバリーです。
沖さん曰く、古琴を演奏するうえでのルールとして「酒場で演奏してはならない」というのがあるそうで、苦笑しつつも思い切り酒場で演奏していた沖さんです。
沖さん、すてきな時間をありがとうございました。

29 9月, 2012

月船deワークショップvol.3

左上から時計回りに、アメジスト、シトリン、
水晶(原石クラスター)、エンジェライト。
やっと秋らしくなったかと油断していたら、まさかの30度の今日、天然石にワイヤーをかけるワークショップを致しました。

今回4人の方々にご参加いただき、細かい作業に集中しつつも、仲良し3人組の楽しい掛け合いで和気あいあいとした雰囲気の中、写真のような作品が完成。
お一人で参加された方も楽しんでいただいたようで、「今度は友だち連れて来ます」とおっしゃって帰られました。

どのようにワイヤーをかけるかは、天然石の形によって違ってくるので、2時間という短い時間で、初心者の方にもどのように体験していただくのがいいのか、いろいろと考えております。出来る出来ないは別として、こういうことがしてみたい、というご希望もお聞かせください。


27 9月, 2012

メヘンディ

レースのような細やかさ。美しい。
メヘンディとは、植物性染料ヘナで描くタトゥーのこと。アジアからアフリカにかけて広い地域で見られる、主に女性の肌に施される装飾。
日本では、ヘナは髪を染める染料として最近はメジャーになってきたけれど、インドでは古くから皮膚の塗り薬としても使われてきたそうだ。だからヘナで髪を染めるのは、からだにいい、ということになる。

昨日、イラストの仕事の打合せに行った会社ナイアードのスタッフの中に、メヘンディの達人がいると聞いて、早速見せていただいた。いつもご自分の手に描いて練習しているうちに上達されたそうだ。

私も、インドに旅行した時メヘンディを施してもらったが、現地の人よりもこのスタッフさんのメヘンディの方がだんぜんうまい。
メヘンディは筆などではなく、ケーキのクリーム絞りと同じ方法で施される。クリームの絞り口なんかよりも何倍も小さい穴から、ペースト状のヘナを絞り出すようにして描くのだから、これは大変難しいものなのだ。

インドの結婚式では、新郎新婦は二人とも両手足にメヘンディを施される。ひとりにつき6時間以上はかかるらしい。ちなみにメヘンディは二週間くらいの間にだんだん薄くなって消える。

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ナイアードは、オリーブ石鹸やバラ水(化粧水)などを製造販売している会社で、モロッコやトルコやネパールなど、スタッフが現地に赴き、原材料の生産者と直接やりとりをしている。
ナイアードの製品の中では、モロッコのダマスカス・ローズでつくられたバラ水を使ったことがある。やさしいバラの香りでリラックスできる。
友人は、ネパールでハンドメイドされるナイアードの蜜蝋リップクリームを絶賛していた。

26 9月, 2012

生きることは死ぬこと。…映画「Into The Wild」

〜今週の名画座・キネマ大羽〜

かつてマドンナの夫だった映画俳優ショーン・ペンが、実話を元につくった映画「イントゥ・ザ・ワイルド」。
立身出世を目指す道を捨てて荒野を目指し、荒野に果てた一人の青年のロードムービー。ショーン・ペンのいくつかの監督作品の中でも、また近年のアメリカ映画の中でも傑作だと思う。

一見、何不自由ない家庭に育ち、優秀で優しく、卒業した大学からハーバードのロースクールに進むと思われていた青年。約束された未来があっただろう彼は、長年の親の不仲から心の中にひそかに傷を抱えていた。その傷が青年を荒野へ向かわせる。車もクレジットカードも財産と言えるものを捨て去って…。

旅の途中でいろんな人たちに出会い、労働し、出会った人たちからも愛されるのだが、彼はそこにとどまることを選ばず、アラスカの厳しい大地を目指すのだった。自然と格闘しながら、自分と向かい合い、しかし、いつしか自然の罠にかかってしまう。

将来有望な青年がなぜアラスカで、ひとりぼっちで死ななければならなかったのか?
と誰でも疑問に思うだろう。監督ショーン・ペンもその疑問を映画で解き明かそうとしたんだと思う。
作品の芯にあるものはずっしりと重いけど、彼が旅の途中で出会う人たちの優しさや彼自身の振る舞いの良さにほだされて、しばし彼と一緒に旅をしている気分になる。
特に、アラスカに向かう直前に出会う老人との交流は、涙なしには見れなかった。

アラスカの自然と格闘し、死期を悟って彼が書き残したお別れのメモには、一種の清々しさがあるにせよ、この言葉は使いたくはないが”のたれ死に”としか表現できない死に様ではある。しかし、最後の最後に彼が光明を見いだすシーンは、この映画を見る全ての人にとっても救いとなる。 そして、それを見て、私たち傍観者は「きっと、これでよかったのかな…。」と思いながら、しばらくぼんやりと座りこんでしまうのだ。

でも、ふと思う。もしかしたら、これが人間の由緒正しき死に方なのでは?と…。 ひとりで生まれて(生まれるときは少なくとも母がそばにいるが)、ひとりで死んでゆく。肩書きや財産、親の七光りなどの一切通用しない自然の営みに、真っ向勝負して果てた青年は、もはや敗北者とは言えないだろう。
もし彼が荒野ではなく立身出世の社会を選んでいたら、少なくとも、死の間際に見いだしたものは、得られなかっただろう。

とてもいい本を一冊読み終わった後のような気分になる映画です。また、見るたびに感じ方が変わってくる映画かもしれない。
 原作のノンフィクション本「荒野へ」も出てるので、今度はこちらを読んでみたい。 

25 9月, 2012

本日のワークショップ in 月船

お客様が持参された石たち。
8面体のフローライトは左側が正面。正面には


虹色の輝きが出ていて、以前はなかったとのこと。
石は変化します。
本日、国立駅が最寄りのヒーリングショップ・月船(つきのふね)さんで、穴のあいてない天然石にワイヤーをほどこして、ペンダントヘッドにするワークショップをしました。
渦巻き(スパイラル)は生命力の象徴。つる性の植物や、巻貝、人間の生命の根源DNAなど、自然界にはスパイラルがひそんでいます。そのスパイラルを天然石に添えて作品を作ってみました。

最初は、うまく渦巻きが巻けなかったりワイヤーがすべったりしても、1個目が終わって2個目に入る頃には作業にも慣れて、個性的でステキなペンダントヘッドを仕上げられたお客さま方です。

ワイヤーを施した石は、左上の8面体のフローライト(窓辺にずっと置いていたら、色が抜けてしまったそうですが、まだほんのりうす紫色)から時計回りに、紫のフローライト、水晶、金針ルチルクォーツ。
フローライトは紫、緑、青、赤紫など、いろんな色のバリエーションがあります。写真右上の緑色のもフローライト。脳を活性化させるといわれていて、勉学や仕事の向上のサポートにオススメです。

水晶は、オールマイティ。特に浄化やお守りとして古代から親しまれてきました。水晶はどんなお洋服にも合わせやすい石です。シンプルでいながら、強さもあります。
金針入りルチルクォーツは内部に金色の線が入っていることから、金運をもたらすとされています。集中力を高め、精神力を強化するので、目標に向かっていくときや、困難に打ち勝ちたいときに身につけるといいでしょう。
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(10月のワイヤーワーク教室のお知らせ)
テーマ 「穴のない天然石にワイヤーをかけてペンダントに」
●10月23日(火)13:00〜15:00
●10月27日(土)13:00〜15:00

テーマ 「ワイヤーと天然石でリングを作ろう」
●10月20日(土)13:00〜15:00

お申し込み、お問い合わせは月船まで。電話:042-574-4787
地図:http://tukinofune.blogspot.jp/p/map.html

24 9月, 2012

小鳥とキリスト

〜旅の思い出写真館〜




















プラハ。カレル橋の上に並ぶ彫刻群のひとつ。
悲劇のヒーロー・キリストの十字架の上に、我れ関せず的にとまっている小鳥に
なんだかホッとする。

23 9月, 2012

袋小路


〜旅の思い出写真館〜


















パリのモンパルナスをウロウロしていたときに入り込んだ袋小路。
こんな袋小路なら、急ぐ旅でなければ入り込んでみてもいい。
人生の袋小路にも、こんな風にひといきつける場所があるといいね。

22 9月, 2012

天は二物を〜Chris Botti〜

クリス・ボッティ。Jazzトランぺッター。
YouTubeでたまたま見て、あまりにイケメンなんで見とれてしまいまひた。

ただのイケメンじゃなく、グラミー賞もとったり、スティングやヨーヨー・マなどジャンルを問わず共演もし、来日公演もしてるみたいだけど、今まで彼の存在を全く知らなんだ。
人気トランぺッターで、プラチナブロンド(脱色かも)の髪の美形であることから”トランペットの貴公子”と呼ばれているそうですね。天は二物をお与えになるのです。さすが貴公子、演奏ではいつもスーツ姿でビシッとキメていらっしゃる。今年で御年50であられますが、まだまだイケてます。
私はトランペットのことはよくわかりませんが、ボッティのトランペットは透明感があるように感じます。

これで、40代のお写真らしい。2004年に米・ピープル誌で「世界で最も美しい50人」に選ばれたのだとか。そうでしょう、そうでしょう…。


ヨーヨー・マとの共演映像。曲は「ニューシネマパラダイス」。
http://www.youtube.com/watch?v=oZxklTKOkcw&feature=related

21 9月, 2012

月船でワークショップ

JR国立駅から徒歩2分のところにあるヒーリングショップ・月船さんで、来週25日と29日にワークショップをします。
内容は、穴のあいてない天然石にワイヤーをかけてペンダントをつくりましょう、というもの。29日は定員いっぱいになりましたが、25日はまだ余裕があります。
ご自宅で眠っている石がありましたら、ご持参ください。天然石じゃなくても、海や川で拾った石でも大丈夫です。


(日 時)9月25日 13:00〜15:00
(料 金)大人:3,500円  小人:2,500円*15歳未満
 *料金はワイヤーと道具込みの価格です。チェーン・ヒモは別途販売しています。
(持ち物)お手持ちの天然石など        *お持ちでない方は店頭にて販売致しております。
(お申し込み/お問い合わせ)月船(つきのふね) tel:042-574-4787  
地図→http://tukinofune.blogspot.jp/p/map.html


この2点は、前回のワークショップで体験された方の作品です。どちらの石も長いことご自宅に眠っていた石だそうです。
ハートの形をした茶色の石は、お客様はわからない、とおっしゃってましたが、(たぶん)レッドジャスパー
大地のような色をしてることから、どっしりと落ちついたエネルギーを持っている石、といわれてます。この石を持つ人を、素直に正直にするともいわれてるそうです。

水色のはトルコ石。古くから旅の護符として使われている石で、人生の旅のお守りとしても力を発揮するといわれています。就職、転勤、旅行、引っ越しなど、人生の転機に身につけるといいでしょう。

18 9月, 2012

歌舞伎で泣いた

歌舞伎を見て、初めて泣いた。
歌舞伎を数回した見たことない初心者の私にとって、歌舞伎は様式美のかたまりのようなもので、所作の中に決まり事があったり、ある程度あらすじを知ってないとついていけなかったり、登場人物の相関関係を追うのに忙しかったり、などの理由でもって、感情を揺さぶられるまでに至らず、能や狂言を見たときのような「一応、日本の伝統芸能は見といたぜ」的な鑑賞しかしてなかった。
だから今日、歌舞伎を見ていて涙があふれてきた自分に自分で驚いたくらいだ。その泣いた演目は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」。
政権争いで左遷された菅原道真の史実がベースになった物語(フィクション)だ。

〜(あらすじ)源蔵は元は道真の家臣であったため、その跡取りの若君をかくまっていたが、菅原家に敵対する藤原時平にそれがバレて、その幼い若君の首をとってくるよう命じられる。若君を守るため、身代わりの子どもを、と考えるが、田舎の寺子屋をやっている源蔵のところには、育ちの良い武家の子などおらず、切って変わり果てた首だといっても藤原方に検分されては身代わりとわかってしまうような子ばかりだ、どうしよう、藤原の家臣達が大勢で首を受け取りにすぐにでもやってくる、どうすればいいんだー、と悩んでいる。そんなところに育ちの良さげな武家の子が母親に手を引かれて寺子屋に入門してくる。年の頃も若君と同じくらいだ、ええ〜い背に腹は代えられず、ということで、母親がよそへ用足しに行ったスキに、その幼い武家の子を断腸の思いで手にかけて首をとり、若君の首と偽って藤原方に差し出してしまう。その首を検分に来た松王丸は以前、源蔵と同じく道真に仕えていた男だったが、今は藤原方に仕えていた。しかし、その首を切られた武家の子は、松王丸が以前仕えていた道真の恩義に報いるために、自ら差し向けた我が子だったのでした(涙、涙、涙〜)。〜


上演中は写真撮影禁止のため、キメのポーズは
適当な記憶で描いてます。
忠義のためなら我が子(あるいは、出会ったばかりの他人の子)をも犠牲にするのかあ〜?!と、その無理矢理なストーリー展開に疑問を感じつつも、涙が勝手にあふれてきて…。松王丸とその女房が息子の亡きがらを引き取りにくるところなんて、観客席のあちこちから鼻をすする音が聞こえ、私も涙を指でぬぐいながら横目で見ると、ハンカチで涙をぬぐっている御婦人方があちこちにいらっしゃった。

今回、叔母が歌舞伎の招待券を知人から2枚もらったとかで誘ってくれたのだが、「いや〜、今日のはよかったねー。招待券もらってよかったねー。」と心から満足した。
市川染五郎が出演の予定だったのが、怪我で休んでいるため、別の配役での上演。どの役を染五郎が演じる予定だったのかは知らないけど、松王丸演じる中村吉右衛門と女房役の中村福助、とても良かったっス。

「菅原伝授手習鑑」は「天衣粉上野初花」(→詐欺師の坊主が殿様相手に金をふんだくろうとする話。)と合わせて、25日まで新橋演舞場にて昼の部で上演中。
チラシはこちら→http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/images/handbill/big/shinbashi201209b.jpg?html
3階席はけっこう空いていたので、当日行っても入れる可能性あり。3階席は3000円と5000円。

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歌舞伎鑑賞の世界にどうやって入っていくかは人それぞれだと思うけど、女性だったら若手俳優のお気に入りを見つける、というのもアリでしょう。
歌舞伎公式サイトのこのページもそのあたりのツボを押さえてのことだろうと思う…。
http://www.kabuki-bito.jp/special/tepco/55/

16 9月, 2012

メタルエンボッシング

月に2回、中央線国分寺駅が最寄りの西洋アンティークショップ兼カフェのカフェ・デ・ロジェ店内で行なわれるメタルエンボッシング教室に通っています。

メタルエンボッシングとは、ヨーロッパの宗教美術であるイコン画から生まれた工芸を現代の装飾工芸によみがえらせたものです。薄くて柔らかい金属シートに凹凸を施していきます。簡単な道具で始められる工芸です。

15日から23日まで(17日は定休日)その店内の一角で、教室で作った作品と物販(アクセサリーなどの小物)の小さな展示会をしています。
カフェ・デ・ロジェ:
http://homepage2.nifty.com/garakutaya/





自宅で制作すべき宿題をサボッて、ついでに習ったはずの技法を忘れて、また同じ質問をしたり、で不肖の生徒ですが、アールヌーボー風のライトや、ヨーロッパのアンティークの小物や、オーナー手づくりの着物地を利用したステキな日傘など、個性的な品物が並ぶ店内で日常生活とはひと味違った空間に身を置くのが楽しみで通ってます。
通い始めて1年くらいですが、途中結構サボった時期があったので、私の作品は2点だけ(物販はアクセサリーやペーパーウェイトなど私のは7〜8点)ですが、先生や先輩のステキな作品が展示されています。





17日を除く23日まで毎日、左の写真のメダルを作る体験講座をワンコイン(500円)で随時やってます。所要時間は30分程度。
興味のある方は遊びにきてください。






地図:http://homepage2.nifty.com/garakutaya/garakutaya.htm

12 9月, 2012

唐津シネマの会

私の出身地、佐賀県唐津市から映画館が消えて久しい。20年くらいかなあ?
「映画館は文化のバロメーター」だと思っているオーバリーには、なんとも寂しい状態だった。
先週末、実家に帰っていたとき、小学校からの同級生Kちゃんとのランチの席で「唐津シネマの会、っちゅうて(と言って)、映画館のごたるとの(のようなものが)できとるらしかよ。」と聞いた。
ランチからの帰り道、早速その場所に行ってみた。

郊外にイオンショッピングセンターができてからというもの、それまで唐津市の繁華街(一応)だった大手口周辺から人が消え、昼間でもほとんど人が歩いていないさびれた街的な様相を呈していたところに、最近大手口センタービルというのができた。
唐津シネマの会とは、その3階の多目的ホールを、週に二日ほどのペースで映画館として使用するというもの。

ビル内に置いてあるチラシの9月の上映スケジュールを見たら、黒澤作品や「風と共に去りぬ」や「フラガール」、アニメーション通(マンガのアニメとは違います)にはたまらない「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」など、古今東西の新旧作品を織り交ぜたイイ感じのラインナップ。
今月の上映作品:http://karatsucinema.com/event/

両親の健康問題のことで、最近帰省する頻度が増えてきて、ストレスがたまりがちなのに息抜きする場所がない、と思っていたので、この唐津シネマの会の出現はとても嬉しい。もっと早く知っていれば、今日上映予定だった「風と共に去りぬ」を見てから帰京できる飛行機を予約したのにな、と思いながら、さ来年の3月まで有効の回数券(10枚つづり)を買って帰りました。会員になるか回数券を買うと、1回あたり600円で見れて、駐車場も3時間まで無料なので、映画見たあと1階のカフェでお茶して帰れる。
詳細:http://karatsucinema.com/entry/

映画の上映は、多目的ホール以外にもベーカリーカフェのヌフや、東京駅を設計した辰野金吾の設計である旧唐津銀行などでも予定されているようで、楽しみでござる。
会場予定:http://karatsucinema.com/space/

07 9月, 2012

広島で途中下車

夏の青春18きっぷは9月10日が使用期限となっている。5枚綴りのうち、残った2枚で東京から九州の実家に帰ることにした。
途中、岡山の友人宅に2泊して九州の実家に向かったが、尾道に住むKちゃんが原爆資料館を見に行くと言うので、私も途中下車して同行した。
広島の原爆資料館は初めて。実家は長崎に近いので、中学(だったかな?)の修学旅行で長崎の原爆資料館は行ったことがある。被爆者の写真や原爆の恐ろしさをうかがい知るための品物などの記憶はあるが、内容は憶えていない。

広島は暑かった。原爆が落ちた日も暑かったろう。
原爆ドームは川のすぐそばにあり、ドームから資料館に向かってその川沿いの道を歩きながら、川にぎっしり浮かんだ死体を想像した。
死体はすぐに腐ったことだろう。地獄絵図のような悲惨さだったろう。


原爆資料館を見学した率直な感想を言うと、想像したほどの悲惨さは伝わってこなかった。少なくとも私とKちゃんには。小学生など幼い子が見ることを配慮してなのか、アメリカに遠慮しているのか…。資料館というものは、資料を淡々と展示するものであって、悲惨さを表に出してはいけないんだろうか?
2〜3の展示(手の皮膚が垂れ下がったまま歩く女学生の蝋人形や、全身火傷の人の写真)を除いては、とにかく想像力をかきたてながら資料を見ていかないと、「戦争は悲惨だ!」という感情が出てこない気がした。なんというか、太平洋戦争の歴史の概要や、原子爆弾というものについての長い教科書を見ているような気分だった。おとなでも途中から集中力が欠けてきて説明文を読むのが面倒になってくるのに、子どもならなおさらだろう。

私の想像力をいちばんかき立てたのは、原爆の爆風で固いコンクリートの壁に突き刺さったガラスの破片だ。普通、どんなに頑張ったって、ガラスの破片を建物の固い壁に突き刺すことは不可能だろう。どれだけ高速のスピードで突き刺さったのかを想像するとゾッとした。それが、人の体に同じスピードでぶつかったら?刺さるどころか貫通してしまうだろう。
爆風の熱で溶けたガラス瓶の固まりも、想像力をかきたてた。生きたまま、燃え盛る焼却炉に投げ込まれるのと同じだったろう。

白血病など、原爆が原因と思われる病気は、戦後15年くらいたってから急増したというのも、コワイことだと思った。知らない間に体は放射能に蝕まれていくのだ。
福島の原発事故の影響による病気も10年から15年後くらいに急増するのだろうか。

戦争終結を早めるための原爆、というのは口実で、日本が原爆の実験場として選ばれたことも忘れてはならない。
連合軍の同じ敵方であるドイツでもなくイタリアでもなく、日本だったこと。原爆自体
も恐ろしいが、非戦闘員である一般市民をねらって、実験に適した地形を冷静に検討した人間そのものが残酷なのだと感じた。

01 9月, 2012

スマイルハウス

実家から車で30分くらいのところで見つけた、微笑ましい家。

鼻もあったみたいだけど、消えかかっている。

もう10年以上前の写真。

今もまだ、あるかな?

雨の日も、日照りの日も、雪の日も、嵐の日も、ずっと笑っているのかな。