勾玉職人・マイスター村田氏が事務局のスタッフ(営業Aさん)に、頼んでくれて、花仙山のメノウ公園入り口まで車で乗せてってくれた。
「めのう公園」という小さい標識のところで車を降りた私たちは、15分くらいの道のりと聞いて、看板のすぐ横の階段を登り始めたが、道を行くにつれ、雑草が道の両側から覆いかぶさるように生えてきており、長い間人が通った形跡がない道だと感じられた。
そりゃそうだろねー。今も青めのうが採れているならまだしも、今は採れてないし、単なる採掘跡だからね。でも、マイスター・ムラタは、採掘跡の周辺をよく探すと落ちてる、って言ってたし…。
と、気をとりなおして登る。すると階段に何か固まりが…。
見たくないのに、なぜかよく見てしまう。干からびてるが、タヌキの死骸のようだ。天敵に襲われたのか、からだの半分がない。タヌキの天敵ってなんだ?クマか?野犬か?
人間の死骸じゃなくてよかった…、とまた気をとりなおして進む。
一人なら回れ右するところだが、3人いるので誰かが「帰ろうよ~」と言うまで登り続けよう的な空気。たぶん半分はきたから、きっともうすぐ…。
下が私が拾った石。混ざり物が多く、均一では ないのがわかる。上は、伝承館で販売されていた 青めのうの原石。同じ花仙山で最近見つかった別の 鉱脈から採れた青めのう。下のに比べて、色が濃く 混ざり物が少なく質が均一な感じ。 |
そして、そこから先はコンクリートの階段が見えないくらい両側から葛(クズ)が生い茂り、歩きにくくなってきた。
ぞーり履きで来ていたHさんが遅れだし、しばらくしてかなり背後から「やだ~、足が痛い~」と声をあげた。そりゃ、ぞーりでこの道は痛いよねー。でも痛いだけで、帰りたいわけじゃないよね、と先頭の私は判断し、めのう公園の道しるべも見えたことだし、聞こえないふりして前進。
そこには、人がちょっと頭を下げて入れるくらいの奥行き4~5mくらいのトンネルの先に鉄格子がはまった空間があり、そこが古代からのメノウの採掘跡らしい。
トンネルの作りがきれいじゃない、ってゆーか、どこの管轄で作ったものか知らないけど、トンネルの中は正直言って薄気味悪い。これじゃ、観光客は来んでしょう…。採掘跡の説明板もないし。
しかし、私たちの目的は青めのうを探すこと!トンネルの外の地面を足先でちょっとほじくってみたりすると、青緑っぽい石が確かにある。
質が良いとされるのは、濃い深緑色のものだが、当然そこにはもう質のよいものはない。が、明るい色で成分が均一ではない混ざり物が入ったメノウはたくさん落ちていた。それでいいのだ。
私自身は明るい青緑色の方が好きだし、成り行きだったけどここに来れただけでも嬉しかったから。
目的を果たした私たちは、陽も傾いて薄暗くなった道を戻り、車道に出た。そのとき、目の前の信号で営業Aさんの車が信号待ちしてるでないのー!私たちに気がついたAさんは、手招きしてくれた。
「帰りは駅まで歩いて帰ってくださいね。」と言われていたのに、なんという偶然!私たちは「神の計らいだわ!」と言いながら、車に乗せてもらったのでした。
ありがとう!営業Aさん!(「帰りに乗せたこと秘密ですよ」と言われたけど、嬉しいので書きました。私のブログ見て行く人はいないでしょうから、バレないですよ~。たぶん大丈夫~)