25 1月, 2014

月船deワークショップ vol.20

本日の生徒さんは、去年に続いて2回目の方です。
遠方の病院に入院されたご主人の介護のために、現地に安いアパートを借りて毎月飛行機で通っていらっしゃるそうで、私も昨年秋から毎月実家に帰っているので、話しがそっちの方についついいってしまいました。そして、お互いジェットスターを使っているというところで話しがはずみました。

前回は時間の都合で1個しか作れなかったので、今日は2個以上作りたいというご希望。それなら介護に行った先でも続きができるように途中でも数やりましょう、ということに。2個は完成、もう2個は途中まで。

天使のようなパワーを感じるこれらの石を身につけて、介護生活がんばってくださいね!


16 1月, 2014

映画「空気人形」

〜今週の名画座・キネマ大羽〜

「私は空気人形。心を持ってしまいました。」という、劇中ちょくちょく入る空気人形のつぶやきが心地いい映画「空気人形」。
男が購入した等身大の空気人形が、ある日心を持ってしまう。心を持った”彼女”は、アパートを抜け出し、町を冒険して、バイトもする。歩くことを憶えたばかりの子どものような純真さで、目にするもの全てに好奇心を寄せていく彼女。
でも、心を持つということは、感じること。
キレイだと感じれば、醜いと感じる時もある。嬉しいと感じれば、悲しいとも感じることも。「心」はいいことだけ感じることはできなかった。

ほのぼのとしたファンタジーの世界なのかと思ったら、そこにはやるせないほどの切なさが満ちていた。
ビニール素材の愛らしい彼女は、中身が空気だけの自分を「私は空っぽ」だと思っている。知り合った老人が「最近の人間は空っぽなやつばかりだ。私も空っぽだよ。」と言うのを聞いて、自分と同じ空気人形がけっこう居るのだと勘違いしてしまうのだが、それが映画の終わりの悲しい出来事の伏線になっていくのだ。

登場人物たちがとてもいい味わいを出している。空気人形は韓国女優のペ・ドゥナ、空気人形と暮らす男は板尾創路、空気人形が想いを寄せる男はARATAが演じている。空気人形を作る職人がオダギリジョーで、これはちょっとカッコ良すぎて少々違和感あったけど、彼らの演技でファンタジーの世界が、まるで自然に存在するかのように感じられる。
オダギリジョーに違和感があったのは、彼だけが寂しそうじゃなかったからかもしれないが、この映画の登場人物たちは、皆どこか寂しや生きづらさを抱えて生きている。

悲しい時、寂しい時、それを感じる「心」というものがいっそなければいいのに、と思うけれど、心があるからこの世は美しいのだと、映画を見ながら思いました。
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追伸:辛くても、悲しくても、感じることをやめてはいけません。
痛みを感じることから逃げてしまったら、ボケますよ(マジです)。

予告編はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=W6guDSG-tzg

12 1月, 2014

ぶらぶらと林芙美子記念館へ

昨夜遅く、帰京した。帰京したというより、帰還いたしました!、という気分。
実家にいた一ヶ月近く、いろいろあったが、鬱々とした気分のままブログを書く気分になれず、パソコンも仕事で使う以外は閉じていた。

今日はどこでもいいから東京の空気を感じてブラブラと歩きたいと思い、街歩きの好きなKちゃんに声かけたら、林芙美子記念館に行ってみたい、とのご提案。
そこで、今回の街歩きは東中野(JR総武線)〜中井(西武新宿線)〜林芙美子記念館〜川に沿って新宿区落合界隈〜終点・高田馬場とあいなった。
何年ぶりかに降り立った東中野駅はキレイになっていた。キレイになるのはいいけれど、駅ごとにもっと個性的にならないものかな〜。
大通りを避けて、住宅の込み合った裏手の道を林芙美子記念館に向かって歩く。途中銭湯があったので入浴料を見ると450円。私が銭湯に通っていた頃の2倍だわ〜。

室内には上がれないが、外からほとんどの
部屋を見ることができる。年に2回は抽選で
各回20名ずつが室内に入れるとのこと。
中井駅まで来ると、記念館はすぐそこ。記念館は林芙美子が生前住んでいた自宅がそのまま保存されている。
林芙美子に関しては一切関心もなかったし、森光子が舞台「放浪記」の記録的ロングランを打ち立てたと聞いたときも見たいとも何とも思わなかったのだが、この家を見て、林芙美子への興味が沸いた。なんともステキな日本家屋なのだ。
少女の頃まで行商する両親と共に日本各地を渡り歩いた林芙美子の「家」への憧れ(執着?)の集大成といったところだろう。建築家にアドバイスをあおぎながら芙美子自ら設計し、大工も一級の腕を持つ職人を選んだ、と言うだけあって、至る所にさりげなく素晴らしいしつらえがなされている。京都でたくさんの寺院などを見て建物の研究もしたという。




また林芙美子があのノーベル賞作家の川端康成との親交があったというのが意外だったのだが、川端康成からの手紙の文面には文豪の匂いは一切なく、普通の男性のなんの変哲もない日常の報告みたいな文面が逆に新鮮だった。
川端康成は林芙美子の葬儀の際の葬儀委員長も務めていて、林芙美子の生前の人となりのネガティブな面を連想させる意味深な弔辞も述べている。普通、葬式でそんな弔辞は言わんじゃろう的なこと(私は、川端康成の芙美子への情を感じるのだが)を川端康成に言わせた林芙美子に増々興味津々。
「放浪記」を読まねばなりませんな。

記念館は、梅やバラなど庭の植物も種類が豊富なので、四季折々の庭を楽しみに訪ねたい。ボランティアのガイドさんが常駐されてるので、一度はガイドさんのお話を聞くといい。入館料150円も嬉しい安さ。

さて、1時間半も記念館に居たらお腹がすいた。なんか美味しいとこないかしら〜、と商店街をふらふらさまよっていたら、中井駅の踏切脇にあったタイ料理の看板に目が行く。
久しぶりのタイ料理ランチに心弾んで建物の狭い階段を登ると、ありました。まるで現地タイの食堂のようなこじんまりとしたお店が。お店の名前は「サワディー」。ランチセット760円は美味しゅうございました。近くにあったら毎週行きたいくらいだ。

さて、おなかも満足して、食後の運動も兼ねて、川に沿って高田馬場までぶらぶら歩き、Kちゃんおすすめの喫茶店で長いお茶して本日のブラブラ歩きは終了。その喫茶店、利用者の平均年齢が高めで落ち着く空間。通りに面したカウンター席に妙齢の男性のみ(それぞれお一人様)がずらりと並んで読書されており、その他のテーブル席は見事にほぼ女性陣、というふうに棲み分け(?)ができているのが面白かった。

また余談だが、高田馬場ではもしかして名物(迷物?)おじさんなのではないかと思われる初老の男性が、この寒いのにTシャツ1枚でハモニカ(たぶん)吹きながら自転車で走ってきて、西友の前の歩道でおもむろにエクソサイズ始めたのには少々びっくり。ま、でも他人に迷惑かけるわけじゃなし、元気なのはいいことです。うちの父とお友達になって欲しいくらいだわ〜。

名画座・早稲田松竹で、好みの映画やってたら見て帰ろうかなー、と思っていたけど、今回はパス。今日は、新たにお気に入りのブラブラコースを開拓できて嬉しい。
ぶらぶら歩いて、他愛もないおしゃべりをして、体の中のどんよりした空気が少し入れ替わったようです。

03 1月, 2014

カニ飯

味付けしたカニの甲羅をはがして、肺を
除去しているところ。肺に寄生虫がいることが

あるらしいが、加熱で死ぬので心配なし。
川に棲むカニのことをうちの実家のほうでは「つがに」と呼んでいる。本式名称は「モズクガニ」と言うらしい。
私が幼い頃から、今は亡き祖父の家で人が集まるような盆暮れ時には、そのつがにをご飯に炊き込んだ”カニめし”が供されていた。

カニ飯を作るのは叔母の役目で、その時だけは土間のかまどに火を焚いて、釜で炊いていた。祖父の家の目の前が川だが、川の中の岩の下などにカニはいたようで、父が割り箸にスルメを糸で縛り付け、それを岩の下に突っ込み、カニがそれをハサミで掴んだ瞬間に引いて獲っていたのを憶えている。父は全身水に浸かって獲っていたから、夏休みだったと思う。川で獲れない時は、近くのお店で買っていたみたいだ。

叔母が50で唐津を離れてからというもの、カニ飯は外食でしか食べられないメニューになった。でも、どこで食べても叔母の作ったカニ飯にまさるものはなかったように思う。
年末30日、妹と温泉に行った帰りに地元の農産物を売ってるところに寄ったら、そのカニが8匹1300円で売られていた。安いでないかい♪

よし今年の正月はカニ飯に挑戦だ。叔母にできるなら私にもできる。お店の人に作り方を聞いたが、念のため、叔母にも電話して作り方を聞いた。
お店の人と叔母とではちょっと手順が違っていたが、どうやってカニを殺すのかという、殺し方の違いであった。
お店の人が教えてくれたのは、鍋に水と生きたカニを入れて”茹で殺し”する方法で、叔母のは生きてるカニの心臓当たりに包丁を突き立てて”刺し殺す”方法であった。叔母は「あたしゃ、カニ殺しのおけい(恵子なので)って言われとったとよ。」と笑いながら言っていた。
当然、私は”茹で殺し”を選んだ。

<美味しいカニ飯の作り方>
1.カニがひたひたに浸かるくらいの水を入れ、茹でる。このとき、カニが脱走しないよう鍋のふたを押さえておくこと。鍋の中で、熱くて暴れ回るカニたちの音が聞こえなくなったらすぐ鍋を火から下ろす。
2.茹でた湯は捨てて、カニを鍋から出して、たわしで洗う。
3.鍋に新たにひたひたの水、酒、醤油、塩を適宜入れて、カニを入れる。沸騰してから20分くらい弱火で煮付ける。
4.カニの甲羅をはずす。はずしたら、肺をとる。本体を左右にまっぷたつに出刃包丁で切断する。甲羅はそのままに。(甲羅にも蟹味噌がついている。)
5.洗った米に、煮汁を米を炊く水分量入れる。このとき砂糖をちょっとだけ入れるのが美味しさのヒミツだと叔母は言った。
米の上にカニを乗せて、炊飯器のスイッチを入れる。

出来上がったカニ飯は大変、美味しゅうございました。体調が悪くて食欲がないと言っていた父も「カニ飯はまだあるか」と言ったくらいだ。
川のカニは、海のカニよりも味が濃く、蟹味噌も濃厚だ。川のカニを食べつけていたので、海のカニにはあまりそそられたことがない。モズクガニは日本全国に分布しているようなので、カニを売ってるのを見たら、一度お試しください。
値段は時期やカニの大きさによっても違うようだ。叔母が数年前に買ったときは10匹ほどで8000円くらいだったと言っていた。