15 12月, 2013

ジェットスター

今日の始発便で九州へ帰って来た。
母が要介護になってから帰省の頻度が増えたが,そんな私にとってジェットスターは東京−福岡間の移動の心強い味方である。
日によって料金の変動はあるが、一番安い時で6〜7000円くらいで帰れる。ジェットスターを使うまではスカイマークで10000〜13000円台の便を利用していたが、ジェットスターを利用すれば毎月帰ってもいいかな、と思える。
東京といっても成田空港まで行かねばならないが、今は東京駅–成田空港間は京成バス900円(約1時間)で行ける。

ただ、購入時期によっては安い便が6時台の早朝便しかない時もあり、その場合うちから5時半までに成田空港に行く手段がないため、私は前夜に成田空港で夜明かしする。同じような境遇(?)の人が数人いるので、一人で寂しかったりこわかったり、ということはない。
待ち合い所などの椅子を2〜3席分占領すれば横になれる。それに、警察官がすぐそばに一晩中立っていてくれる(私たちを守ってるのではなく、私たちが不穏な動きをしないように見張っていると思われる。)ので安心。
夕べは上野発の最終電車で成田空港まで来て、中央口付近の椅子に横になって寝た。1時間置きくらいに目が覚めるので熟睡はできないが体は休まる。

福岡空港に着いたら、まず空港内のうどん屋さんに入って、ゴボウ天うどんワカメトッピングを食べる。今日はついたてで仕切られた向かい合わせのカウンター席の斜め前にパパイヤ鈴木が座った。あの頭ですぐわかる。だからって何があるわけでもないが、以前ライブを見に行ってとても楽しかったので、それを思い出した。

うどんの後は、同じく空港内のベーカリーカフェでお茶する。一刻も早く帰る必要もないので、できるだけそこで仕事したり、のんびりしたりする。
最近は父も体調崩しているので、ちょっと憂鬱。ま、仕方ない。どうにかするさ。
明日は早速、父を睡眠外来(精神科の中の1セクション)へ連れて行く。

12 12月, 2013

月船deワークショップ vol.19


久しぶりのワイヤーワークのワークショップです。教会音楽が流れている(リクエストしたので)月船店内の奥のテーブルで、水晶と向き合っていると、教会聖堂にいるような錯覚をおぼえます。            看護士さんをされているというKさんが本日の生徒さん。UFOを目撃されたというお話しなど、雑談を交えながら、なごやかなワークショップでした。            ワイヤーをさわるのも初めて、ということでしたが、ステキな水晶のペンダントができました。

11 12月, 2013

開高健「珠玉」

「アクセサリー作ってるんだったら、コレいいわよ。」と、人に勧められて読んだのが、開高健の短編集「珠玉」。
私はあまり読書をしてないので文学には疎いし、開高健という名前を聞いた時、”釣り人”のイメージしかなかったので、こういう小説を書いていたとは知らなかった。

短編集といっても、「珠玉」に収められた3つの物語は「私」(正確に言うと、「私」という文字はひとつもないが)という物書きを生業(なりわい)とする主人公でつながっていて、それぞれ「アクアマリン」「ガーネット」「ムーンストーン」という宝石をモチーフにしている。
行方不明になった息子を何年も探し続ける父親が「私」を古いアパートの一室に招き入れ、ちゃぶ台の上に広げたアクアマリンの海のような輝き。
なかなか作品の筆が進まぬ「私」に、中華料理店の主人が貸してくれたガーネットの血のようなような深い緋色。
とある店でひと目惚れして買ったムーンストーンが、「私」に思い起こさせる白い宮殿。
開高健が紡ぎ出す言葉で描かれた石たちは、宝飾店のどんなに高価な宝石よりも美しいものとして脳裏に浮かぶ。

そして、それらの石たちは様々な登場人物達をより印象的にいろどっていく。
石の描写がすばらしく文学的(あたりまえか…)で、よくぞここまで表現できるものだなー、と感じ入る。

ムーンストーンが登場する3つ目の物語は、先のふたつの物語とは多少毛色が違う。
物語の突然のエロチックな展開に少々とまどった。もしも電車の中で読んでいたら、ちょっとドキドキしたかもしれない。
「珠玉」が開高健の絶筆だったことは読み終わってから知ったのだが、そう言われてみれば、ところどころに何だか胸を締め付けられるような感情が見え隠れする部分もあり、特に最後の物語は絶筆中の絶筆と思われるような終わり方をしていて合点がいった。

厳しい闘病生活の中で「珠玉」を書き、58歳で逝ってしまった開高健が「珠玉」の中で最期に発したコトバは、世の男性にとっては深い感慨をもって発せられるコトバかもしれない。それが、何と言うコトバかは、是非読んでいただきたく候。