28 7月, 2011

バスを待ちながら

旅の思い出・トルコ編〜

トルコの民族楽器「サズ」だと思う…

写真はカッパドキアから次の目的地に行く
長距離バスを待ってたとき、待合室で楽器
を奏でていたおにいさん。
この時の私はとても落ち込んでいました。
前日、トルコの国内航空券を宿近くのトラ
ベルエージェンシーで買い、「釣り銭がな
いから後でチケットと一緒に宿に持ってい
く」と言われたのを鵜呑みにしたら、宿の
スタッフはチケットしか預かっておらず、
結局、釣り銭をボラれたわけです。
確か9ドルくらいで、くやしいけどクレーム
つけようにもオフィスは閉まってるし、自
分の不注意だから仕方ないな、と思ったと
き近くにいた旅馴れた風情の日本人女性が
「だから日本人はナメなれるのよねー。」
と連れの男性に話してるのが聞こえました。彼女はわざと聞こえるように言ったんでしょう、意図的なものを感じて、私は激しく落ち込んだのでした。翌朝バスターミナルに行っても気分は晴れず、同行した妹ともほとんど話しをする気になれず、そんな時、この写真のおにいさんの奏でる哀愁のある響きがからだに沁みたのです。少しは待合室を探検する気分にもなり、ジャン・レノ似の売店のおじさんの写真撮ったりしました。
弾き語りのおにいさんとは違うバスだったので、一期一会のおにいさんに心の中でありがとうを言って、自分のバスに乗り込みました。

トルコのバスは、充実してます。装備もきれい。お茶の時間もあって、長距離だとお菓子も出ます。待合室でしばし心は癒されたものの、妹と話すところまでは回復せず、車内でもずーっと黙ってました。おやつの時間がきて車掌さんがお茶かコーヒーを配り始めた時、通路を挟んで斜め前の老夫婦が家から持参したのであろう、新聞紙に包んだ大きな直径30センチくらいはあろうかというパンを、いきなり私に差し出したのです。何の面識もない、目さえ合わせなかったはずの赤の他人の外国人に、自分が食べるつもりだっただろうパンを差し出す懐の深さ。ありがたくパンを受け取り、唯一言えるトルコ語のありがとうを言ったら、親父さんはそっけなさを装うように「いいんだよ」というような身振りをしました。同国人にけなされて、異国の人に癒された貴重な時間でした。嬉しくて、泣けました。
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トルコの民族楽器の音が聴けるサイト
http://www.jp-tr.com/icerik/music/instruments.html
これ聴いてたらトルコに行きたくなってきたなー