6年前の桜の頃、美大時代の同級生Jちゃんからの突然の電話で、Jちゃんとの数年
ぶりの再会。「善福寺川の夜桜を見においでよ。」とのお誘いに、嬉しくて
いそいそと出かけた私は、駅の改札口で待っていたJちゃんを見て少し驚きました。
スキンヘッドだったからです。170センチを越える長身とエキゾチックな顔立ち、
そしてファッションセンスのよさで学生時代から目立つ存在だったJちゃんは、ファッ
ションでそうしてるのかな、と思ったとき、「抗癌剤の副作用なの。」とポツリ…。
私は言葉を失いました。心の準備ができていません。何を言えばいいのか…。
Jちゃんはそんな私の気持ちを察したのか、自分から闘病生活の話しをしてくれました。
善福寺川に覆いかぶさるように咲く桜は、ことのほか美しくはかなく見えました。
次に会ったのが、ひと月半後の5月。ちょうど今頃。今度はバラを見においでという
お誘い。Jちゃんは、夏に控えた手術を前に、ガン細胞を少しでも小さくしておくための
お誘い。Jちゃんは、夏に控えた手術を前に、ガン細胞を少しでも小さくしておくための
抗癌剤に苦しんでいました。そんな中で、たまに気分のいい時、善福寺川沿いを散歩中
見つけた花園があまりにも美しかったので、私を呼んでくれたのでした。バラ以外にも、
見つけた花園があまりにも美しかったので、私を呼んでくれたのでした。バラ以外にも、
ジギタリス、ポピーなど様々な花がところせましと咲き乱れ、ちょっとワイルドな
イングリッシュガーデンの趣き。幼い頃読んだ「秘密の花園」のよう。たくさんの
種類のバラの美しさに、私たちはそのお宅をバラ屋敷と名付け、心ゆくまで覗き込ん
だり写真を撮ったりして過ごしました。
種類のバラの美しさに、私たちはそのお宅をバラ屋敷と名付け、心ゆくまで覗き込ん
だり写真を撮ったりして過ごしました。
そして今、Jちゃんは元気です。その間再発がなければ癌が治癒したと判断される
5年が過ぎました。Jちゃんはその間、鍼灸の学校で学び、今年見事鍼灸師の免許を
取得。私は何度か体のつらい症状を鍼で治してもらい、その劇的変化に驚きました。
Jちゃんは、今や私のホームドクターです。今度会う時は、先日患った帯状疱疹に
いいとされる、免疫を上げるツボに鍼を打ってくれるそうです。
この季節、バラを見ると美しいバラ屋敷でのJちゃんとの時間を思い出します。
Jちゃんは、今や私のホームドクターです。今度会う時は、先日患った帯状疱疹に
いいとされる、免疫を上げるツボに鍼を打ってくれるそうです。
この季節、バラを見ると美しいバラ屋敷でのJちゃんとの時間を思い出します。
Jちゃんは近々鍼灸師として開業する予定なので、その折りに改めてご紹介します。