20 11月, 2012

痴漢のニュースで思い出した

実家に帰った時、久しぶりに日本のテレビを見たら(東京の自宅では電波状況が悪いのか、ナゼか写らないので)、某局の某アナウンサーが痴漢容疑でつかまった、というニュースを最初に見てしまった。
某局の中でも好感度のあるアナウンサーだっただけに残念。
被害者の女性は10分間触られていたと証言している。父が「なんで、10分も触られとったとか〜?」と言ったが、その言い方に男性特有の捉え方を垣間みた。10分もの間、なぜ何も(抵抗)せず、触られるがままにしていたのか?という、女性の方にもわずかながらも被害を長引かせた要因があるのではないか、というニュアンスだ。
バーロー!!痴漢って、痴漢行為をした側のみの罪と責任に決まってるでしょうが!
この時期、服装だって長袖で、男性を視覚的に誘う要因はなかったはず。よしんば、夏の暑い盛りで肌もあらわな服だったとして、心の中では妄想などしても、行動に出せば立派な犯罪。酒飲んでたから、なんて言い訳そのものも許したくない。

ニュースを見ていて、生まれて初めて痴漢に遭遇した日を思い出した。
美大受験のために上京した冬のある寒い日。しかも19才の誕生日だった。心臓がバクバクした。怖かった。怖いときは動けないものなのだ。痴漢が被害者に与える精神的ダメージは男性側が思ってる以上に大きいと思う。翌日の美大の試験には集中できなかった。その美大は落ちた。今だったら、19才の時よりは思い切り撃退できるかな。それでも心臓はバクバクし、ストレスは大きい。

話しは少しそれるが、以前トルコを旅していた時、シリアからトルコに来た日本人旅行者の女性と話しをしたことがあった。
シリアってどんなところか話しを聞いたら、遺跡の好きな人にはたまらない(世界遺産が6つある)国だということと、シリア人は親切(人情に厚い?)だという話しをしてくれた。どのように親切か、という体験談が痴漢にまつわる話しだった。
彼女はシリアの空港の電話ボックスでシリア人の痴漢に遭ったのだという。それで、声を出して騒いだら、近くに居た、お互い見ず知らずの男性たちが10数人走り寄ってきて、逃げる痴漢を皆で追いかけ始めたそうだ。追っ手グループのいちばん後ろには杖を持った老人までもが加わって、杖を振り回してヨタヨタ走っていたという。ほどなく、痴漢は追っ手につかまり、ボコボコにされ、彼女の前に連れてこられて、追っ手の一人が「この男をどうしたいか?警察に連れていきたいか?それとも、もっと痛めつけるか?」と尋ねたそうだ。相当ボコボコにされていたようで、彼女は気が済んだらしく、また警察にということになると、彼女自身も貴重な時間を削られてしまうことから、もう放してあげて、と言ったという。
マンガのようなその話しを聞きながら、私にかつて痴漢行為をした男性がシリア人にボコボコにされる姿を想像して憂さ晴らしをしたものだ。

その逸話がシリア人の”親切”さを証明するものかどうかは疑問の余地はあるにせよ、その時はシリアに行ってみたいなー、と思った。そんなシリアも今は、内戦で死者が多く出ている。人々の心に真の平安が来る日はあるのだろうか…。