31 8月, 2012

部屋を探して

人生の三大ストレスは、人によって多少の違いはあるみたいだけど、私が聞いたところによると、”結婚” ”引っ越し” ”死別” だそうだ。
正直いって、今年の私の運勢は良くない。占いの話しじゃなくて、実際のハナシ…。
結構、疲れている。そんな時に、引っ越し先も探さなくてはならない状況になったので、苦手な不動産屋をあたり始めた。妹が世話になったという新宿のA不動産屋は、私の探している条件のものは利益なしとみてか、内覧の待ち合わせをすっぽかしたり、連絡くれなかったり、と不誠実で、私は更に落ち込んだ。家(部屋)探しは心身ともに健康なときに限る、とつくづく感じる。三大ストレスのひとつに立ち向かうにはエネルギーが必要なのだわ〜。

平成生まれの女子高生数人が、昭和な看板の前に立って
ジーっと絵を見ながら「レベル高いね」と言っていた。
10代の若者にも、この良さがわかるのね。ウレシイわ。
友人Kさんが「UR賃貸は対応がいいわよ〜」と言う。民間不動産屋の物件よりはちょっと割高だけど、その分遠くに探せば予算内であるやも、ということで探してみたら、予算から少し出るけど見るだけ見に行こうかな、と思う物件があり、Kさんと行ったのが高尾山のふもとの街、高尾。
高尾駅からまたさらにバスに乗って行った終点の物件だった。
管理事務所に行って、鍵だけ借りて部屋へ行った。
部屋は今まで見た中で一番よかった。古さはあるけど、何か清々しいというか、気持ちいいというか、Kさんと畳の上に寝転がって、「なんか落ち着くね。このままずっと居たい感じ。」とゴロゴロしていた。そこは9階で、外は残暑厳しい暑さなのに、冷房なくても自然の風でしのげる感じだった。夜はきっと星を見ながら寝れそうだった。お風呂も新しくはないけど、きれいにしてあり、床のタイルがレトロで好みだった。

部屋はとてもよかったけど、諸事情から悩みに悩んで結局断った。

高尾の駅前もこじんまりして、バスに乗る前の用(買物とかちょっとした食事とか)を足しやすい感じ。高尾名店街というレトロな匂いのするビルが目にとまったので、入ってみた。1階から2階に上がったすぐの壁に、懐かしい手描きの映画の看板があった。
あ〜、いいね〜。
今回は物件見送るけれど、ほんのちょっとしたことで、高尾が好きになりました。
ちなみに1階の八百屋さん、安いです。帰り道、遠いのに、思わずいろいろ買っちまいました。

29 8月, 2012

1946 - Hiroshima

Youtubeで他の映像を見ていて、たまたま目にした1946年の広島の映像。
アメリカの公的機関(またはアメリカ軍)が撮影して保存していたものらしい。音が入ってないので、どういう目的で撮られたものなのかわからないけど、原爆投下翌年の広島の人々の日常が記録されている。

街一面がれきの中で、一見、人々は穏やかに生活してるかのように見える。最初の神父と子ども達のシーンは”やらせ”っぽく見える。一種の政治的プロパガンダのために撮られたものだろうか?

広島の原爆から70年近くたとうとしているのに、人間は相変わらず、原爆や原爆に等しい原発をも手放そうとしない。命より目先の利益を大切にするのが、悲しいかな人間の本質なのだろうかと思う今日このごろ。目先の利益が幸せにつながる、と勘違いするからだろう。人間は所詮、想像力に欠ける動物なのかな(目に見えないものは信じない、という意味で)。そして、想定外のこと(想像もしなかったこと)が起きて、うろたえる。

26 8月, 2012

”暗い日曜日”オンパレード〜Gloomy Sunday~

ナチスの台頭が暗い影を落とす1933年に、ハンガリーで生まれた歌”暗い日曜日”。発表後ヨーロッパ中で流行し、当時の世相も加わって、この曲を聴いて自殺者が続出したと言われ、ハンガリーを始め放送禁止にした国もあるほど。曲と自殺の因果関係は解明されなかったが、ヨーロッパ各地で自殺者を出したことは一種の都市伝説となっている。
作曲したシュレッツェ・レジェーの元恋人はこの曲がヒットした後自殺し、後年彼自身も自殺してこの世を去った、という事実も都市伝説に花(?)を添えている。

歌の内容は、恋人を亡くした女性が嘆き悲しみ、憂鬱な日曜日に絶望して自分自身も死のうと決意する、というもの。希望のない悲しい曲だけど、メロディーに魅かれる今日この頃。
調べてみると、古今東西、いろんなアーティストがこの曲をカバーしている。
人の心をとらえて離さない何かがあるのかな…。
ちなみに、物語はフィクションだが映画にもなっている。

映画「暗い日曜日」の映像と共に:ヘザー・ノヴァ
http://www.youtube.com/watch?v=N2fGWQKbX68&feature=related
相変わらず独特…:ビヨーク/パペット(人形)の映像と共に
http://www.youtube.com/watch?v=KSDAxP6OxqM&feature=related
アコースティックギターが心にしみる。枕元で歌って欲しい…:エルビス・コステロ 
http://www.youtube.com/watch?v=yd2P6x6RCDg&feature=related
美輪明宏も歌っていたのね:
http://www.youtube.com/watch?v=HY1jHRXfByU&feature=results_video&playnext=1&list=PLAD559EC73284C7D9
昔のカントリーポップ歌手だけど意外といい:リッキー・ネルソン 
http://www.youtube.com/watch?v=_78auN4H-ds&feature=related
天使のような歌声がステキ…:サラ・ブライトマン 
http://www.youtube.com/watch?v=4homC70VS9E
透き通った美しい声:シネイド・オコナー 
http://www.youtube.com/watch?v=98LDN37-N3A&feature=related
数あるカバーの中でもダントツの迫力:新井英一
なんだ、この映画は?「暗い日曜日」とは関係ないサスペンスものみたいだけど、おもしろそーだ。
:Lucía Jiménez http://www.youtube.com/watch?v=8pz1Z-HOA2Q&feature=fvwrel
「イレイザー」という映画でした。作家の旅先で謎の連続自殺事件が起きて、彼がそれに巻き込まれて行くサスペンものらしい。DVDも出てる。
http://www.amazon.co.jp/イレイザー-DVD-ダニエル・モンゾン/dp/B000UTDQNY/ref=sr_1_1?s=dvd&ie=UTF8&qid=1345822805&sr=1-1
いくらなんでも怖すぎて笑ってしまうほど。死にたい、というより殺されそうだ。Diamanda Galas
http://www.youtube.com/watch?v=BWBJCOSgIrQ&feature=BFa&list=PLAD559EC73284C7D9
ジャズの大御所:ビリー・ホリデー http://www.youtube.com/watch?v=zI9utHmz3VQ&feature=related
当時のオリジナル音源 http://www.youtube.com/watch?v=HAzJ_7CeWbc&feature=related

〜「暗い日曜日」予告編〜

ハンガリーがナチスの黒い影に覆われようとする頃に生まれた歌をめぐる物語。

レストランを切り盛りするオーナーとそのパートナー、そしてそのレストランで演奏するピアニスト、彼ら3人の愛情が歴史の波に翻弄されていく。
そして、女性に恋心を持ちつつ、ナチスに身を投じた男の屈折した想いが交錯する悲しい物語。

23 8月, 2012

「フェルメール光の王国展」で思い出した

叔母に誘われて、「フェルメール光の王国展」を銀座に見に行った。(26日・日曜日まで開催中)
全て”リ・クリエイト”と呼ばれる原寸大の複製画37点(世界中で確認されているフェルメールの全作品)で構成されている。
本物より色が濃いので、「やっぱ複製画じゃん」と思ったけど、フェルメールが描き上げた当時の色合いを(どうやってわかるんじゃ?)再現してあるとのこと。
だとしても、部分的に濃い(人物はそうでもないのに、布だけ濃い、とか)感じもするんだけど…。フェルメールの”売り”であるところの、微妙な光の表現も(記憶の中の)本物と比べるとイマイチな感じがした。
でも、全作品が一堂に見れることと、風景だけの作品など今まで見たことのない作品があるので、複製とは言え、一見の価値はあるかも。また、絵の中に隠された記号的な意味の解説もあるので、謎解きが好きな方には面白いかも(でも、私は疲れていたので読まなかった…)。絵を”観る”というよりは、絵を”読む”という感じの展覧会だと思う。そして、それが1000円に値するかどうかは各個人の感じ方次第ですかね。

でも面白かったのは、フラッシュさえ焚かなければ、写真撮影OKなとこ。皆、バンバン撮影してました。観光地にあるような、看板の穴に顔だけ突っ込んで写真撮る(これで貴女も貴男も真珠の耳飾りの少女!)、みたいなのもあるので、カップルで楽しめるかな…。

この展覧会を見ていて思い出したのが、チェコの地方にある古城の街チェスキークルムロフにあるエゴン・シーレミュージアム。
エゴン・シーレ大好きオーバリーは、同行した友人Yちゃんと勇んで入館。
しかし、程なくして気がついた…。アレ?…もしかしてコピー???
しかも、陽に焼けたみたいに色あせている…?
近くにいた欧米人の口からも”copy”という単語が聞こえてくる。「…ま、まさかね〜。」と、Yちゃんと、絵に顔を限りなく近づけて今一度確認。
…そうよね、これ、キャンバスの凹凸も見えないし、コピーだわよね…。
えぇっ〜!?!?全部コピーやんけ〜Σ(O_O;)!!マジ〜?と絶句した…。(E・シーレが作った人形みたいのは実物だったみたいだけど。)
ここ、美術館じゃなくて、資料館やったんけ〜?

少なくとも、3年前はそうであった…。凹凸まで再現してある複製画ならまだしも、壁に貼ったまま色あせたポスター的なのが額に入れてあったのであった。
なので、もし、チェコのエゴン・シーレ美術館にこれから行かれる方は、入場券(700円くらいしたんじゃなかったっけー?)を買う前に、美術館スタッフに訊きましょうね。
「エゴン・シーレの絵は本物ですか?」ってね…。
残念ながら(予想通り)NOの返事が返ってきたら、ミュージアムの売店は充実してるから、入場券買わずに売店だけ入ってお土産買いましょう。アンティークの磁器のカップ&ソーサーのセットもあって、Yちゃんはお手頃価格でそれを買って、「これが買えて嬉しい。次回は、これだけ買いにまた来るわー。」と言っておりました。でも、チェスキークルムロフの街はとてもステキです。少なくとも1泊して、オーストリア人のE・シーレが惚れ込んだ城の街の風景を満喫してください。

ああ、懐かしい…。色あせたポスターのようなE・シーレの絵さえも…。

22 8月, 2012

苦悩する人への教え

ネットサーフィンしていたら、目にとまったNY大学付属病院 リハビリテーションセンターの壁に刻まれた詩。作者不明の詩だという。
最後の部分は、まだ咀嚼(そしゃく)できないけど、そうありたいと思ふ…。
少し、疲れた…。
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大事をなそうとして力を与えてほしいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと弱さを授かった

より偉大なことができるように健康を求めたのに
より良きことができるようにと病弱を与えられた

幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった

世の人々の賞賛を得ようとして権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと弱さを授かった

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと生命を授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞きとどけられた
神の意にそわぬ者であるにかかわらず
心の中の言い表せない祈りはすべてかなえられた
私はあらゆる人の中でもっとも豊かに祝福されたのだ 

21 8月, 2012

石が取り持つご縁

長年、イラストレーターとして一人で自宅で仕事してきた私にとって、京王アートマンの店舗の一角でアクセサリーを作りながら販売するのは、最初は緊張しまくりのドキドキもんでした。人前で作ることにはすぐに馴れましたが、お客様に話しかけるのは勝手がわからず、どのタイミングで話しかければいいのか、それとも話しかけない方がいいのか、などグルグル考えて結局話しかけられず…。てな感じでした。でも、今回初めての聖蹟桜ヶ丘では、いろんな方に出会って、お話しすることができました。

フローライト。別名ホタル石。
暗闇で、フローライトの破片を火に
くべると、ホタルのように発光する
のが名前の由来。この紫から青の色の
層を見ていると時間を忘れる。
最終日は、一年の入院生活から退院してきた帰り道、とおっしゃる男性とお話する機会がありました。
男性が見ていかれることは滅多にないので、最初、誰かのプレゼントでも探しておられるのかな?と思ったら、使用している部品について訊かれたので、同業者かな?と思いました。
お話を聞いていたら、趣味でアクセサリー作りされていて、病院では無菌室に入ってらしたそうで、そこに道具を持ち込んで、いろいろと作っては誰かにプレゼントしたり、退院の時は看護士さんたちのために天然石のストラップをたくさん作ってきたのだとか…。
石はどこで仕入れるとか、石のお店でどう交渉するとか、興味深いことをとりとめもなく話されて、「今日は退院してきたばかりだから外にいるけど、普段は雑踏など避けないといけないから、滅多に外に出られないんです。」とおっしゃいました。

ひとしきりお話したあと、「お話できて楽しかったです。」と言っていただき、男性は帰っていかれました。お互い楽しく話しができたのも、きっと天然石のパワーのお導きかもしれません。
お名前も存じませんが、またいつかどこかでとりとめもなく、石の話しをいたしましょう。

20 8月, 2012

人気のインカローズ

聖蹟桜ヶ丘での6日間の実演販売が終わりました。ご来店いただいた皆様、ありがとうございました。初めての聖蹟桜ヶ丘でしたが、いろんな方に出会えて楽しかったです。

チェーンからすぐ下がるのと、ブラッと
長めに下がるのと二通りの下がり方。
お洋服に合わせて、表情を変えて…。
さて、初めていらしたお客様Tさんが「インカローズで何か欲しいんですけど…。昨日、テレビでインカローズの紹介してたんです。」とおっしゃいました。
こんな感じ?あんな感じ?と、ご提案する中で、「金属アレルギーなので、手持ちのかぶれないチェーンを通すだけのペンダントヘッドだけ作っていただくことってできます?」と、Tさん。もちろん出来ますとも〜、ということで、色とりどりの天然石の箱の中からお好きなものを選んでいただき、最終的にインカローズと3種類の水晶玉でヘッドを作りました。
チェーンも二通りの通し方ができるようにしました。

こうやって、自分のアイディアだけでは思いつかないことも、お客様との会話の中で見つけていくデザインもあります。だからお客様と直に接することのできる実演販売はおもしろいのです。
自分ひとりだけで制作していると、デザインをどうしても複雑にしたくなる衝動に駆られますが、お客様側からすれば、いつも身につけていたいアクセサリーはシンプルな方がいいということも多いようです。
そういうニーズもお客様に接していないとわからなかったことです。
絵も文章も同じですが、複雑にするよりシンプルにしていく方が難しかったりします。アクセサリーも同じなのですね。

「今後の作品のラインナップとして、私も気に入ったので、同じのを作って次回から並べます。」と言ったら、「私のとちょっと変えてくださいね。」とTさん。
もちろんです。オリジナルなものが手に入るアクセサリー屋オーバリーを目指しておりますから…。またのご来店をお待ちしています。

19 8月, 2012

形見の数珠

聖蹟桜ヶ丘アートマンでたまたま、私の展示コーナーを通りがかった年配のお客様Aさんが「母の形見の数珠があるんだけど、それで家族にブレスレットとかできるかしら?」と尋ねられました。
その時、たまたま形見の数珠を持ち歩いておられたのか、すぐにバッグから取り出して、見せてくださいました。

最初、その透明さから水晶かと思ったのですが、後で拡大鏡で見たら、気泡が見えたので、ガラスでできた玉だとわかりました。よく見ると、全部形が微妙に違うので、昔の手づくりのガラス玉のようでした。鉄の芯にガラス棒を溶かして巻き付けていく、いわゆるトンボ玉です。とても透明で、軽くて、かわいらしい小さい玉が連なった数珠でした。
数珠は二つあったので、Aさんご自身と息子さんご夫婦、Aさんの妹さんご夫婦にそれぞれブレスレットをひとつずつ、1才半くらいのお孫さんにはアンクレットを注文されました。二つの数珠から6つのものが出来ました。

アンティークといえる条件のひとつは、50年以上たったものだそうで、しかもひとつひとつ手づくりの、この数珠のガラス玉は正真正銘のアンティークといえるでしょう。
透明感のある玉を見ていると、そこいらの水晶玉よりもキレイなのです。それを持っていた方、受け継がれた方の家族を想う気持ちの深さも手伝っていると思います。

ほがらかなご様子からは伺い知れなかった、通院しながら闘病生活をされているというAさんでしたが、私の父に腫瘍が見つかったことや再々検査の結果を聞くために帰省することを漏らしたら、逆に励ましてくださいました。

Aさんが無事に病を乗り越えられますよう、お母様の形見のブレスレットから石をはずした後の、捨てるつもりでいらした革ひもに、数珠の残りのガラス玉とグリーンガーネットという濃い抹茶飴みたいな色をした玉をプラスして今一度ブレスレットに仕立て、プレゼントしました。(写真撮り忘れたけど、我ながらオシャレな一品になりました。
そのブレスレットを見て、「私の誕生石はガーネットなのよ。嬉しいわ。でも、ガーネットにグリーンがあるなんて知らなかったわ。」と喜んでいただきました。
笑うと少女のように目がキラキラと輝くAさん、またアートマンでお会いしましょう。
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そうだ、父にもお守りブレスレット作ってみるかな…。

17 8月, 2012

堆朱(ついしゅ)

聖蹟桜ヶ丘アートマンでのアクセサリー実演販売のとき、「これで何か作れますか?」と持ち込まれたのが、中国の工芸品”堆朱(ついしゅ)”の玉。ご自分で仕立てられたとおっしゃる、ステキなお洋服を召されたご夫人です。
雑貨屋さんで300円くらいのニセモノ堆朱は見たことありましたが、ホンモノは初めて見ました。堆朱とは漆の工芸品で、この玉は全て漆でできているのだそうです。ちなみに漆を100回塗り重ねても厚さ3ミリ〜5ミリにしかならないそうで、じゃあこの17ミリほどの玉が一体何回塗り重ねられたものか計算してみましょう…。
というわけで、漆を何百回も塗り重ねて、その層から切り出された玉。表面には花(蓮かな?)と雲が深く彫り込まれています。これは、アンティークの堆朱らしく、今ではなかなか手に入りにくいのだとか…。深い朱色がまことに美しい。(私も欲しい……)


この堆朱に合う石といったら、私の手持ちの石の中ではブラックオニキス(黒瑪瑙)しかございません。なるべくシンプルにしたいというご希望に添って、大きさの違うオニキスだけで組みました。そして、堆朱の玉が鎖骨のあたりにくる長さのチョーカーに仕立ててみました。
お客様がお召しになっているお洋服が、白地に黒の抽象的な模様の生地だったので、この黒と赤のチョーカーがぴったり合って、とても喜んでいただきました。
私も、美しいホンモノの堆朱の玉に触れることができて幸せでした。

「もう一つ、アクセサリーにしたいものがあるのよ。」とおっしゃって、次回の販売予定を、差し上げた名刺に書き込んで帰られました。
さて、次はどんなステキな品を持ち込まれるのでしょうか。楽しみです。
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堆朱は日本の漆工芸にもあります。日本のは色の違う漆を塗り重ねて、色の層を見せるものが多いようです。

16 8月, 2012

マイケル・ケンナ

私が好きな写真家のひとりで、羽田空港チェックインカウンターの向かいの壁上部に並んでいる写真の作者であるマイケル・ケンナのインタビュー記事をたまたま見つけて読んだ。今の迷える自分に必要な言葉として、胸に刻んだ。

Webマガジン「ProCameraman.jp」より、抜粋〜 
M.ケンナ:もしあなたが芸術の世界にいたり、専門的な仕事についているのなら、意志の強さと、規律、忍耐と根気が必要です。そして、膨大な幸運も必要です。私は、謙虚でいることは良いことだと思っています。1つひとつのチャンスに感謝し、できるだけいつでも流れに添っていくのがいいと思います。自分をただ信じて。すべての人がユニークであるから、あなたもユニークだと信じて。自分のユニークさは自分で探さなければいけない。他の人をまねしようとし始めた時、少し失敗します。何が起こっても、自分の内面にある声と想像力、自分を信じ続けなければいけない。他の人が何をやっていたとしても、どうにかして、自分の中の創造性とつながらなければいけない。その創造性についていけばいい。それがあなたをどこへ招くかみてみればいい。あなたにとっての目的地を信じること。うらやましがったり、他の人の人生を生きる必要はない。あなたの人生は大切です。あなたの運命を過小評価しないように。

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15日から20日まで、聖蹟桜ヶ丘アートマン4階にて、アクセサリー実演販売してます。聖蹟桜ヶ丘での次回出店は未定なので、ここも一期一会のつもりで勤めたいと思います。
自分のユニークさを探しながら…。

09 8月, 2012

新宿「アカシア」


新宿アルタの裏側の路地にたたずむ洋食屋「アカシア」。昭和38年開業の老舗店。支店は羽田空港店とドイツのミュンスター店の2店舗。

「姉ちゃん、いいかげん引っ越し先、探し始めんとダメよ。」と、妹に尻をたたかれ、つい先日妹がお世話になった新宿の不動産屋を一緒に訪ねた。不動産屋にはトラウマがあるもんで、どうも苦手なオーバリー。こちらの条件に近い物件を3つくらいに絞って3日後に内覧、というところまで決めるのに1時間半かかって閉店時間になったので、妹と食事に行ったのがアカシアだった。
最後に行ってから何年ぶりだろう…。たぶん、20年ぶりくらいかも。クラッシックな内装、記憶にある赤い生地を張った椅子。思い出が甦る。そのとき、一緒に行ったひと、そこで見た光景が。

一個入りは450円。
2個入りは750円。
20年前に行った時、わりと奥の方の席についたのだが、一番奥の席に座っていた二人連れの中年男性がいた。普通なら、テーブルをはさんで座るものなのに、その男性二人は入り口に向かって二人並んで座っていて、私は奥に向かって座っていたため、自然と視界に入るので見るともなしに見ていた。二人は恋仲だったようで、会話はなく思い詰めたように手を握り合い、ただただ体を寄せ合っていた。
新宿の裏通りの洋食屋と中年ゲイのカップルと、アカシアの看板メニュー・ロールキャベツシチューが渾然一体となって、私の記憶に焼き付いた。

昨夜は、オムライス(私の好きな、由緒正しい?スタイル)とロールキャベツシチューのセット、それにレバーのカツ(クセがなくて美味しかった)を注文して、妹とシェアして食べた。
改めて店内を見渡すと、内装がクラッシックでとても素敵だ。
これを機会に、また新宿で夕食をとるときはアカシアに行きたいと思う。今日のアカシアの記憶は、不動産屋とレバカツかな…。

07 8月, 2012

暑中お見舞い申し上げます

PCのデスクトップ上のファイルを整理していたら、
暑中見舞いによさそうなラフスケッチが出てきた。
温泉に行きたいなー。岩手に好きな温泉があって、自炊部がある。大浴場、川を望む露天風呂、混浴露天風呂、木の風呂の4種類入れて、建物も昭和初期を感じさせる趣きがある。木造の長い廊下や、帳場という感じの趣のある受付の部屋は何度見ても飽きなかった。海外からも利用客が来ていて、私の前に台湾からの親子連れが受付していた。

自炊道具や食器は無料で貸してくれる。コンロは昔ながらの、マッチで点火するガスコンロで、7分くらいで10円だったかな。
3年くらい前の4月の下旬、そこに泊まった時、台所で料理していたら、「若い人が作るものは違うねえ」と年配の女性に声かけられた。話しをしたら、その人は、三陸でわかめ漁を夫婦でやっていて、漁が終わると毎年その温泉に湯治に来るのだと言っていた。
「そちらの今夜のご飯はなんですか?」と聞いたら、「うちはねえ、アワビとサザエだよー。」と、特別でもないような口ぶりの答えが返ってきた。ひぇー、恐れ入りました、と思いながら、内心お裾分けを期待したけど、何も起きなかった。
夜遅く、露天風呂でまたその女性と一緒になったとき、もう一人の連れの女性と、働き盛りの一人息子を亡くした話しをされていた。ああ、いろいろあるんだなー、と私は風呂の隅っこで、聞くともなく聞いていた。

去年の大震災のあと、時々彼らを思い出す。また元気で湯治に通っておられればいいのだけれど…。
一期一会になるかもしれない、だからこそ、ほんの短い時間、丁寧に向き合っていきましょう、と思います。
来週もまた、アクセサリー販売。今度は初めての場所、聖蹟桜ヶ丘。どんな一期一会があるでしょうか。
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大沢温泉http://www.oosawaonsen.com/shisetsu/jisui.html
 自炊部の利用の仕方:http://www.oosawaonsen.com/shisetsu/riyou.html (丹前の着方などあって懇切丁寧)

02 8月, 2012

オーバリー in 府中アートマン


偶数月の実演販売、今場所も始まりました。昨日の初日に荷物を運び込んで飾り付けするんですが、暑くて重くて死にそうだった。うちの最寄り駅、階段しかないから(国立市に予算がないんだってさー。表玄関の国立駅は早々と立派に改装工事しちゃってさー…。)部活してるみたいにキツかった。

さて、あんなのやこんなの販売してます。このお暑い時期こそ、涼しげなアクセサリーを眺めて涼んでいってください。そして帰り道、また暑いけど…。かくいう私も昨夜帰宅してから死んでました。暑さと考え過ぎ(悩み多くて…)にやられて、頭痛と吐き気で3時間くらい布団の上で唸ってました。でも、今日はまた元気に勤めてまいりました。
先場所(6月)に初めて来てくださった方が、また訪ねてくださって嬉しかったです。







●スケジュール
1日〜7日 府中アートマン2F(京王線府中駅ビル)
15日〜20日 聖蹟桜ヶ丘アートマン4F(京王線聖蹟桜ヶ丘駅ビル)