23 4月, 2013

空港で

三ヶ月ぶりに実家へ。福岡空港に昼過ぎに着いて、空港内のうどん屋さんに入ってごぼう天うどんを食べる。これを食べると帰ってきた~という感じがする。
それから4時間くらい空港内のベーカリーカフェの隅っこの席で、東京から持ち帰った仕事のイラストの下描きをした。
空港内には、福岡からオランダへの直行便就航のポスターが貼られていた。
実家に帰らずに、ここからオランダに直行したらどうかしらん?と空想にふける。今頃、チューリップが見頃かしら?ゴッホ美術館に行きたいな。ゴッホが描いた風景の中を、レンタサイクル借りて走りたいな。などなど…。

ベーカリーカフェの隣りはきれいな本屋さん。窓側にカウンター席があって、そこで飲み物が飲めるみたい。
もし九州に住むとしたら、実家の唐津じゃなくて福岡空港の近くに住みたいな。
空港のカフェでお茶しながら、海外旅行を夢想するのです。

21 4月, 2013

月船deワークショップ vol.12

四月だというのに寒い雨の土曜日、5人の方たちがワークショップに集まってくださいました。
皆さん、ワイヤーワークは初めてだそうで、「ちゃんとできるのかしら~?」と最初、口々におっしゃいましたが、みなさん写真のとおり、ちゃんと素敵にできましたよ~。
ある方は、割れた黒い石の破片をお持ちになり、それも2時間後には素敵なペンダントヘッドに変身しました。

ここでワイヤーを施す天然石は、どれひとつとして同じものがなく、同じ種類の石であっても形や色合いが違っていて、ワイヤーの施し方は千差万別です。
最初にペンダントとしての正面と上下を決めていただきます。
私自身も作品をつくるとき、それだけ決めて、あとはどうなるのかわからないまま手を動かし始めます。やってみないとわからないのが、ワイヤーワークの魅力だと思っています。

ワイヤーを石に施すのは人生に似ています(大きく出たね…)。
人生思ったようにはならないし、歩いているうちにコケることもあるけど、素敵な風景に出会うこともあるし、誰かが助けてくれることもある(私が多少お手伝いもします→人生じゃなくてワイヤーの)。そうこうしてるうちに、最初に思い描いていたのとは少々違うけど、けっこういいじゃん、と思える場所にたどり着く。…という感じです。たどり着くかしら?と疑ってはいけません。たどり着くまでやるのです。8割か9割くらいまで「イマイチだわ~」と思っていても、最後の最後に輝きはじめます。大切なのは、その石を愛すること、きれいだわ~、とめでることだと思います。石はその愛に応えてくれます。(注:見返りを求めてはいけません。見返りを求めるのは、愛とはいえませんので。)


余談ですが、以前出店していたとき、ふらっと近づいてこられて立ち話をされた方がいて、私の作品を見ながら「この石は効くの?」と言われました。「え?」と聞き返したら、「すごくパワーがあるっていうからコレ買ったんだけど、パチンコ大負けしたのよ~。」と、とても高そうな大玉のルチル系のブレスレットを見せてくれました。
石を愛してあげてくださいネ。

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次回ワークショップは、5月11日(土)と16日(木)です。
詳細はこちら→http://obarie.blogspot.jp/p/workshop.html

19 4月, 2013

軍艦島 in 映画「007 スカイフォール」

〜今週の名画座・キネマ大羽〜

007が映画に登場して50年。
わたくし個人的には、007シリーズの中では最高傑作だとふれて回りたい「スカイフォール」。
半世紀も続いたシリーズの節目として新しい007を感じさせる第23作。
ボンドをダニエル・クレイグが初めて演じたとき、充分新しかったけど、今回ボンドを取り巻く環境が新生ボンドに追いついた、という印象。

すっかり007シリーズの顔になっていたボンドの上司Mの新旧交代、武器開発係の新しいQの登場、MI6の本部が爆破され新しい本部へのお引っ越し(世界大戦中チャーチルが使っていた地下壕という設定)、そしてボンドが「おまえの趣味は何だ?」と強敵シルヴァに問われて「趣味は”復活”すること」と答えたセリフ等々、製作陣の”これからも続くわよー”という意気込みが感じられる。

その意気込みの一つとでも言える初の試み(?)として、ボンドの生い立ちが少し明かされる。ボンドがナゼいつもどこかに痛みにも似た影をたずさえて(D・クレイグ版の場合ですが)ストイックに自分を追いつめて行くのか、が伺い知れる過去である。スカイフォールとはボンドが生まれ育った荒涼とした故郷の地名であり、”天が落ちようとも正義を成就させよ”というラテン語の格言からの引用でもあり、二重の意味を持たせてある。
”復活”が趣味(最高の趣味だね!)なボンドだが、復活するためには今一度、痛みの原点に戻る必要があった、ということか…。

ボンドのアクションも相変わらず素晴らしく、どこまでがD・クレイグでどこからがスタントなのかわからない、もしかして全部D・クレイグがやってんのか、と思いたくなる画像処理も見事。走る列車の上での格闘シーンやイスタンブールのグランドバザール内をバイクで追っかけっこするシーンも愉快。このイスタンブールという場所もロケ地がイスタンブールだった007シリーズ2作目の「ロシアより愛を込めて」へのオマージュになっている(はず)。

褒め始めたらキリがないのだが、ただひとつ残念なのがMを演じてきたジュディ・デンチが次回から見れないこと。Mの交代劇は例えれば、寅さんの妹さくらが倍賞千恵子から別の俳優に変わるようなものである。考えられないでしょ〜よー。
これは、J・デンチが降板したいという意向を制作陣が受けてのことだったが、最初制作側はJ・デンチを手放す気はなかったらしい。他の女優では考えられないMの交代劇は物語の中でひとつのクライマックスとなっている。
今回のボンドガールは前半で早々と殺されてしまうが、真のボンドガールはジュディ・デンチでありましょう。J・デンチとのラブシーンこそ(ありえ)ないけれど、最後はボンドの腕にシッカと抱かれるのであります。
他の女優では考えられない新生Mは男性、というあたりも、どうにか逃げたね。
今まで「Yes,mom.」とMの命令に答えていたボンドは、次回作から「Yes,sir.」って言うんだろうなー。

そしてそして、今回嬉しいのが、ボンドの敵シルヴァのアジトの島として上空からの全景映像が使われた(島の内部シーンはセット)長崎県の廃墟の島・軍艦島の登場。最後のクレジットで”軍艦島・長崎県”とちゃんとそこだけ漢字で出てくる。
高田馬場の名画座・早稲田松竹で見たのだが、こんなに真剣にエンドクレジットを見つめたのは初めて。(「スカイフォール」は今日までの上映。最終上映20時10分開始。お近くの方、万障繰り合わせて、お出かけくださいませね。映画館の大画面で見て〜。)
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「ロシアより愛を込めて」でボンドガールを演じたダニエラ・ビアンキを彷彿とさせるADELEが歌うテーマソング「skyfall」がステキ。グラミー賞6部門受賞。
https://www.youtube.com/watch?v=q-gLRp5bSpw

「007 スカイフォール」は、ツタヤにあります。

軍艦島の写真が見れるサイトはこちら→http://home.f01.itscom.net/spiral/hashima/hashima001.html

14 4月, 2013

原石たち

美しいピンクはロードナイト、その下はアメジスト、
青くて長いのはカイヤナイト、白い結晶の中に真っ青
なのはカバンシ石、くすんだピンクはルビー、
水色の大小はアマゾナイト(和名:天河石)、
上部真ん中はフローライト(和名:蛍石)
最近、原石を立て続けに買ってしまった。
石がこんなに美しいものとは知らなんだ。
一応、アクセサリーに仕立てるつもりで買ったのだが、それは”仕事で使うから”という自分への言い訳で買ってるのかな、と思わないでもない。
染めたのでもなんでもない天然の色。こんな原石たちが、世界中の鉱山の中で眠っているのだ。

取り寄せて実物を見てみたら、私のやり方でアクセサリーにするのは難しそうなのもあるけれど、そばに置いて眺めるだけでもいいのです。

アクセサリーのアイディアが浮かぶまで、待ちます。
あるいは、石に見合った技術を習得するか、です。

11 4月, 2013

映画「SHAME」

〜今週の名画座・キネマ大羽〜

仕事では成功を収め、街を見下ろす高級マンションに住み、ハンサムで振る舞いも上品な男ブランドン。でもでも、彼はセックス依存症。しかも愛情の伴わない、プロまたは行きずりの相手でなければ関係が結べない男だった(つまり、人と心で繋がれない)。
仕事以外の時間はほぼセックス関係に費やしていて、それはそれで危ういバランスをとっていたブランドンだったが、ある日妹シシーが転がり込んできて、彼のそれまでの危ういバランスが一気に崩れる。

感情を出さず一見クールに振る舞うブランドンに対して、感情むき出しで愛情にすがろうとするシシー。そんなシシーの存在はブランドンの心を激しく揺さぶり、バランスを失った彼はまるで自分を傷つけるかのような行動に出るのだった。そしてシシーもまた、自分自身を傷つける行為に及ぶ…。劇中で彼らの過去に何があったのかは語られることはないが、「私たちは悪い人間じゃないわ。悪い場所に居ただけ。」というシシーの言葉で、彼らが心の奥底に抱える闇(Shame=恥)が浮かび上がって来る。闇を共有したであろう妹の出現は、彼が今も深く傷ついていることを思い出させるのだった。

ここでは過去に何が起きたかは重要ではない。
今までその闇にどう向き合ってきたか。そしてこれからどう向き合うのか。
終盤の兄妹の成り行きは、膿んだ傷口にもう一度指を突っ込むような痛みを感じながらも、その傷口を大気にさらしてみろ、とでも言っているかのようだ。

深く傷つく人間は、大抵「自分が悪いから」と思ってしまう。
そういう扱いを受けるのは私が悪いからだ、と。
「私たちは悪い人間じゃない。悪い場所に居ただけ。」というシシーのつぶやくような声は、いつまでも私の中で優しくこだましていた。

蛇足ではありますが、劇中セックスシーンはいろいろあれど、なぜか痛々しゅうございます。それよりも、苦しみに耐えかねて泣き崩れるブランドンが一番セクスィ〜でございます(ずっと見つめていたい、という点で…)。
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また、グレン・グールドの奏でるバッハがとてもよいです。バッハという古典音楽と現代劇がこれほどマッチするとは意外でした。
Prelude No. 10 In E Minor, bwv 855 →  http://www.youtube.com/watch?v=x09mBzozNFk

09 4月, 2013

無料オンデマンド

別にNHKのまわし者じゃないですけど、うちのテレビが何故か映らないので、NHKオンデマンドをパソコンで見ている。
ほとんどは有料だが、無料で見れる番組が毎月何本かある。

今月の無料の番組、プロフェッショナル 仕事の流儀 〜プロデューサー鈴木敏夫は、おもしろかった。鈴木氏はジブリのプロデューサー。(番組放映当時のジブリが新作映画として制作しているのは「ゲド戦記」らしいが、番組内では宣伝になってしまうせいかゲド戦記のゲの字も出て来ない。)
鈴木氏の仕事の取り組み方や、映画の製作現場など、とても興味深い。

私は「ゲド戦記」をまだ見たことないので何とも言えないが、いろんな映画評を読んでみたところ、あまり芳しくないことが書いてある。「ゲド戦記」の原作者からも批判を浴びた(参考http://hiki.cre.jp/Earthsea/?GedoSenkiAuthorResponse)ジブリ最低の作品、とまで書いてあるものもあった。
イチローが不振な年があるように、ジブリだって毎回名作ってわけにはいかないのである。どんなに努力してもB級、ってことはある。名作が生まれることは奇跡なんだと思う。仮に努力してもB級だったとしたら、それは次回のA級作品の肥やしになるはず。
映画作りに関わる人の数、かかるお金の大きさ、などなど、映画が完成するまでの過程を考えると、映画を作るのは大変な作業だな、とつくづく思う。

番組の中で、映画のボディーコピー作りに苦労している様子が写っている。コピー完成の少し前のコピー「世界の均衡が崩れつつある。農民は田畑を棄て、職人は技を忘れた。街ではみな、せわしなく動きまわっているが、目的を失っているように見えた。〜(以下続く)」が、私はとても好きで、これを目にしていたら映画を見ていたかもしれないと思ったが、完成したコピーを見たら、私の好きな部分はなくなっていた。映画を見るよりもまず原作を読んでみたいという気持ちになった。

今月の無料視聴はこちら→http://www.nhk-ondemand.jp/share/free/

06 4月, 2013

ファーストフード in India

〜旅の思い出写真館・また食べたい編〜

インドでは、道ばたでいろんなファーストフードを売っている。特にバスターミナルや市場の近くに多い。

写真は、豆をすりつぶしたものに具を混ぜて揚げたものとパイナップルジュース。どっちもウマイよ〜。付け合わせはシシトウ。

そして食後には、すぐ梅肉エキスを飲みます。揚げ物は加熱してあるから心配ないけど、ジュースやそれを入れてる容器がちょっと心配。バケツにためた水で器をゆすいで、年季の入ったぞうきんみたいなフキンでそれを拭いているのを目撃したことあるのでね…。

04 4月, 2013

ペリドット

ペリドットは、別名橄欖石(かんらんせき)8月の誕生石です
オリーブグリーンの美しい石ですが、古代エジプトの人々は「太陽の石」として崇拝していたそうです。
昔は肝臓や副腎、また痔の治療に使われた歴史もあります。(ただし科学的根拠はありません。)

無地のドレスにいかが?
チェーンの方にもペリドットの2ミリ玉と
4ミリ玉がたくさん入ってます。他に、
ガーネット、オレンジムーンストーン、
シャンパンカラークォーツ、緑に染められ
たジェイドをあしらいました。
前で留められる金具です。

私が材料として買えるのはせいぜい5m玉までで、それ以上の大きさになるといきなり高値になります。ナゼだろうと思っていましたが、原石を買ってわかりました。
原石はポロポロと崩れやすく、大玉がとれるような大きな結晶のものは割合として少ないのです。だから、ある程度の大きさがあって研磨やカットされた質のよいものは宝石として流通しています。

写真の原石のように、結晶が小さくポロポロと崩れやすい原石から丸玉をとるのは不可能です。
黒っぽい玄武岩を母岩として、そこに緑のコケのようにくっついているこのペリドットは、宝飾品としての石の価値はありませんが、私にとっては愛着のある材料です。
研磨やカットを施されていかにも高価なペリドットとは、また違う趣のアクセサリーを作ることができます。同じ形の原石はありませんから、世界でたったひとつのオリジナルです。
ただし、ぶつけたりするとポロポロっと崩れる可能性がまだある(ワイヤーを施している間にも1〜2mmの結晶がポロポロっと何度か崩れ落ちました)ので、売り物にはせず自分用にするか、欲しい方にはそれを承知の上で買っていただくか、です。
とりあえず、しばらく店頭に置いてみます。