30 1月, 2015

筆無精

もう30年以上のつきあいになる友人Mちゃんから、ときたま葉書が来る。
好きな庭木のことや、家族のこと、旅先の話などが淡々と書かれている。
彼女からの手紙は、短い随筆を読んでいるような感じがして、好きだ。
そのくせ、手紙を読みながら頭の中では返事の文章が浮かぶくせに、無精な私はなかなか返事を書かない。
でも、私が返事を書かなくても、また忘れた頃にぽつんと葉書を送ってきてくれる。

この天使の葉書は、直近のもの。好きな絵なので、パソコンに貼っている。
返事はまだ書いてない。
頭の中には文章はあるのに。
いろんなことを伝えたいのに、書いてない。
頭の中に手紙の返事がたまりすぎて、どこから書いていいかわからなくなって、なおさら書けない。

私にとって「手紙を書く」という作業は、目の前に相手の像をホログラムのように思い浮かべて、それと会話するようなイメージで書くので、走り書きでとりあえず返信、というのがなかなかできない。
しかも仕事道具が散らかった部屋なので、ホログラムを置く場所がなくて、なかなか手紙モードになれない。



手紙を書くための手紙部屋が欲しいなあ。
そうしたら、ホログラム映像の相手と会話をするかのように手紙が書けるような気がする。
私って一種の学習障害かな、と思うことさえある。

Mちゃんはパソコンをあまり見ないし、携帯も持たない。
Mちゃん、ごめんなさい、と、ここで謝っても伝わらんよね〜。エヘヘ…。

26 1月, 2015

ドラマ「プリズナーズ・オブ・ウォー」

国内外の映画やドラマが月額1007円(税込み)で見放題のHuluが、2週間無料視聴できるというので、登録申し込みした。
2週間で好きなものを見たら、課金される前にさっさと退会しようと思っていたのだが、無料視聴が切れる直前に「プリズナーズ・オブ・ウォー」というイスラエルのテレビドラマを見つけて見始めたらハマってしまい、無料期間を過ぎ、課金されることになってしまった。
このドラマは、イスラエルと敵対するレバノンに捕われたイスラエル兵士の捕虜と、イスラエルでテロ行為をして捕われたレバノン人の囚人との交換から物語は始まるのだが、話が進むにつれて、誰がどちらの味方なのか敵なのかわからないスリル感、そして17年間も捕虜だった男たちの帰国後も続く苦悩が丁寧に描かれていて、毎回見逃せなくなってしまった。

今まさに、日本人がイスラム国に捕われいて、安否が気遣われているときだけに、日本人にとっても、このドラマは他人事ではなくなった。

中東の敵対する国同士が国境を接しているのと違って、日本は海によって守られているのだと実感する。最近は、中国や韓国などと海(島)での小競り合いがあるにしろ、やはり守られている方だといえるのではないだろうか。ただ、今まで海に守られて国際問題が他より少ない分、危機管理への関心が薄かったかもしれない。

このドラマを見ていると、敵国と国境を接する国に住む人たちの日常がかいま見られて、興味深い。
おすすめです。無料期間の2週間あれば、全24話全部見れます。

Hulu公式サイト : http://www.hulu.jp/
参考サイト : http://hulu2weeks.com/
レバノンとイスラエルの歴史:http://www.zion-jpn.or.jp/israel_history05.html

16 1月, 2015

ゆずの蜂蜜漬け

今まで、なんでこの方法に気がつかなかった
のかしら、と思うくらい、簡単なのに美味しい。
実家の畑にゆずの木が1本あります。
知人から、無農薬のゆずが欲しい、という連絡がきたので、全部で40個くらい収穫し、30個ほどお譲りしました。

ゆずの木は、全然手入れしていないので、枝が伸び放題。ほんとは倍の数、実っていたのですが、長くて鋭いトゲが枝にたくさんついているので、せっかく実ったゆずの実は己のトゲで自殺状態…。

今年はちゃんと枝の剪定をしてあげようと思います。

ゆずを買うときは、黄色い皮の表面をうすく削いで使うか、絞り汁を使うかくらいで、残りカスが出ると思いますが、そんな残りを好みの大きさにざくざく切って、蜂蜜につけると2〜3日で蜂蜜が皮にしみ込んで、お茶請けやオードブルに使えます。加熱してないから、ビタミンCも壊れませんね。蜂蜜の持つ酵素と相まって、風邪の予防にももってこいの食品です。

料理のレシピなどには、白い部分は多少苦みがあるので除く、なんて書いてありますが、私はたいした苦みは感じないし、めんどくさいので、表面の目立つ傷だけ取り除くくらいです。超カンタン。

パンやクラッカーにのせても美味しいし、クリームチーズにも合います。ヨーグルトに入れても美味しい。マグカップに好みの量を入れて熱湯を注げば、ホットゆずの出来上がり。ホットゆずの場合は、ゆずは細い千切りにして漬けておいた方がいいでしょう。
加熱しないため、ジャムのように長期保存はできないので、一週間に一度ゆずを1〜2個買って蜂蜜に漬けるかまぶすかして、そのつど作って食べるのがいいと思います。

07 1月, 2015

鼻にヒビ

先日、長崎にガウディ展覧会を見に行って、ガウディの年表を見ていた時、ガウディは教会のミサに行く途中、つまづいて道に倒れたところを路面電車に轢かれて亡くなった、という一文が目にとまった。

なんか似ている…。年末の私に似ている…。

というのも、唐津の夜の田舎道で、たまたま車が通らなかったからよかったけど、私は道を横断しようとして、歩道と車道の間にある縁石に気がつかず、つまづいて道に倒れたのだ。
とっさに両手でからだを支えたつもりだったが、間に合わず、顔面から路面に激突する形となり、膝頭と鼻をしたたか打ち、鼻の骨にヒビが入ったのだ。

鼻からは大量の鼻血が流れ出て、地面にうつ伏せになったまま2〜3分起き上がれなかった。道の反対側で、妹が車に乗って私を待っていたのだが、私が視界から消えて「あれ?姉ちゃん、どこ行ったのかな?」と思いはしても、まさか地面に倒れているとは思わなかったらしい。
私は私で、妹が気付いてすぐ起こしにきてくれると期待していたが、2〜3分の間(この場合、超長い)待てど暮らせど、来てくれない。声が出なくて、叫ぶこともできなかった。

必死に立ち上がりましたよ〜。人生の中で、こんなに必死に立ち上がったことはありませんよ〜。格闘技のリング上で倒れた人の気持ちがよ〜くわかりましたよ〜。
「立て、立つんだオーバリー!」と、リングサイドで誰かに叫んで欲しかったですよ〜。

ほんとに車が来なくてよかった。
今、思い返してもゾッとする…。

夜は蛍光色のものを身につけて歩きましょう…。

04 1月, 2015

「ガウディ×井上雄彦」

いまさらですが、明けましておめでとうございます。
年末年始、いろいろ雑事あり〜の、怪我あり〜の、心配事あり〜ので、ブログ更新忘れておりやした。

実家の唐津から車で2時間くらいの長崎県立美術館で、3月8日まで開催中の「ガウディ×井上雄彦」〜シンクロする創造の源泉〜展へ。
私は井上雄彦氏の漫画は読んだことがなく、大人気漫画家ということしか知らずに出かけた。

会場に入ってすぐ、真正面に掲げられた大きな井上氏の手描きの作品に、心をわしづかみにされた。電車の中刷り広告で井上氏の絵をちらっと見ていた時から、墨で描く人なんだなー、という認識はあったけれど、漫画家という枠を越えて、「絵師」だった。

一見無機質な建築の世界に、ガウディがなぜ有機体をおもむろに取り込んだのか。
その理由が、井上氏の絵によってダイレクトに感覚として頭に入ってくる。


今回初めて知ったのは、ガウディが幼い時からリュウマチだった、ということ。
病気のためにあまり動けず、幼いときから植物や昆虫や動物をじっと観察して、それらを描いたりして過ごしていた、その経験が建築家ガウディを生んだということを。
つまり、ガウディがもしリュウマチでなかったなら、ガウディの建築は今この世にない、ということになる。

1882年に着工してから、現在まだ建設中のガウディの遺作ともいうべきサグラダ・ファミリア教会の扉に、世界中の言語で書かれた「我らを悪より救いたまえ」という一文が刻まれているそうだが、日本語版は井上氏の毛筆で書かれた文字が使われているそうだ。
今はまだサグラダ・ファミリア教会は完成してないので、その扉を見ることはできないが、完成した暁には、井上氏の書いた文字は、正面に向かって一番右の扉に見ることができるという。私はまだバルセロナに行ったことがなく、ガウディの建築物を見たことがないので、井上氏の文字とガウディ建築の両方を見るのを今から楽しみにしている。

「死ぬまでにしたいこと」リストに、ひとつ項目が加わった。
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展覧会オフィシャルサイト:http://www.gaudinoue.com/
長崎の次は、神戸の兵庫県立美術館で開催。会期は、3月21日〜5月24日。それが最後の開催となります。