28 11月, 2014

赤い糸

人と人の間は恋愛関係以外でも赤い糸でつながっていると思うのだが、その赤い糸は、ある日突然切れてしまうものだと実感する出来事があった。
お気に入りの洋服のボタンの糸が、ある日突然切れてしまうように、お気に入りの赤い糸も突然切れてしまうのだ。
好きな洋服を着れば着るほどボタンの糸が弱っていくように、人と人の間の赤い糸も相手との付き合いを深くする分、糸にかかるストレスは強くなる。
糸は細いたくさんの繊維を撚(よ)り合わせて一本の糸になっているが、赤い糸も同じだ。
私たちが糸が切れかかったボタンの糸の補修をするように、人と人をつなぐ赤い糸もすり切れてはつなぎ直してつながっている。

今までは糸が切れれば、あわててつなぎ直していたのだが、私の中でプツンと切れてしまったその糸を、目をこらして、細い繊維の一本一本をつないで撚り直す元気はもうない。つなぎ直す替わりの糸も見つからない。

きれいだと思っていたその糸は、実は切れかかっていたことに、私は気がつかなかった。
ひどく寂しいが、仕方がない。
糸はこちらからの力だけでつなぎ直せるものでもない。お互い信じ合えなければ、つなぎ直せない。
ひどく疲れてしまった。