20 6月, 2012

陶片のペンダント

十数年も前に房総の海岸美術館(写真家・浅井慎平の美術館)の入り口付近で陶片をタイルがわりにはめ込んであるのを見てからというもの、いつか同じことがしたくて、海岸で陶片を見ると拾っていた時があった。潮流や海底の地形によるのか、隣接しあう海岸で打ち上げられるものが違ったりするようで、私がたまたま訪れた逗子市のある海岸の砂浜には江戸か明治期の陶磁器の破片がたくさん落ちていた。ずっと昔に輸出用に船に積まれて、その海岸の沖合で船が難破したのかもしれない、と想像する。
荒波に何度も洗われて、海底の砂や石とぶつかり合い、角も丸くなり、マットな肌触りになっている。
これを見た友人のお姉さんは「これ古伊万里じゃないの?」と言ったけど、私にはわからない。

陶片をタイルとして使う機会に恵まれず、陶片がわんさかたまってしまったのだが、チェンマイに行った時、陶片をアクセサリーに仕立ててあるのを見て、これやってみよう、と思って作ったのが写真のペンダント。
陶片はたくさんあるものの、いざペンダントヘッドにしようと思うと、いいものがなかなか見つからない。これは、手描きの筆の感じがよくて気に入っている。クラック水晶や、淡水パール、タイのカレン族シルバーをあしらった。

陶片にとっては波乱の人生(?)だったろうが、最終的に誰の手元に行くのだろう?
もしもこの陶片が話せるのなら、どこで生まれて、なぜ海に落ちたのか、海の中はどうだったのか、話しを聞いてみたい。