09 11月, 2011

モーリス・ドニの子供たち

叔母に誘われて、損保ジャパン東郷青児美術館で開催中のモーリス・ドニ展に行ってきた。
モーリス・ドニは名前は知っていたけど、展覧会で他の画家たちの作品に混じって1〜2点を見たことがある程度で、私にとっては今まであまり記憶にのぼらない画家だった。
今回は100点ものボリュームでモーリス・ドニを鑑賞できる。今回のテーマ”いのちの輝き、子どものいる風景”というだけあって、ドニの子ども達がたくさん登場する。ドニ自身、9人の子どもを持って(うち一人は数ヶ月で亡くなる)いたから、絵筆を持つドニのまわりには常に子ども達の声があふれていただろう。
ドニは2回結婚しており、最初の妻は7人目の子どもを出産した2年後に亡くなり、その2年後には再婚して新たに二人の子どもを持った。
子ども達の誕生、生まれて間もない我が子の死、愛する妻の死、再婚、再び子どもたちの誕生、というように、生と死をあざなえる縄の如しに受け入れて、キャンバスに刻みつけた画家だった。
会場では愛らしい子どもたちの絵が楽しめるのだが、その中で私の一番のお気に入りはボーダーシャツの男の子アコちゃん(日本人みたいな名前だ)。天使のような愛らしさ。今度イラストで天使を描くことがあったら、この顔を参考にしようと思い、このカードだけを買って帰ろうと思ったら、隣りにこの乳母車の赤ちゃんのカードがあり、この顔でさえなければ一番のお気に入りであったろうに的な思い出としてそれも購入。この乳母車の絵は光の美しさといい、光を透かす布地の感触といい、赤ちゃんの肌の輝きといい、見とれてしまうその奥に、なぜにこのお顔があるのでしょうか…。と、腑に落ちないオーバリーでした。しかめつらの老人の顔にしか見えないのは、私だけでござるか?それともホントにこんな顔だったのか…。
それにしても、色合いの美しい絵の数々でした。たとえ暗い色であっても…。

あ、それから、ドニが最初の妻に贈ったという子どもたちの乳歯で作ったネックレスが展示されていて、乳歯と意識せずに見れば、とても素敵なネックレスだった。ドニとその妻が、子どもたちをどれだけ愛していたかが、そこからもうかがい知れる。

美術館はビルの42階にあり、新宿の眺めもよいところ。すぐそばに東京モード学園のユニークなビルが見下ろせる。ゴンドラに乗ってビルの外側からガラスを磨く勇気ある男達がそのビルの高所に見えた。足がすくんだ。

帰りに、デパ地下で叔母さんにパンやら惣菜やら買ってもらった姪っ子オーバリー。今日もありがとう!叔母さん♥♪♪♪ d(⌒O⌒)b♪♪♪