19 6月, 2011

見直した!! ルドゥーテ展

バラの花大好きの叔母に誘われ、渋谷・Bunkamuraのルドゥーテ展に行って
きました。内心、”またバラの花?好きねー、叔母さん…”と思いながらも、
お昼おごってくれるし入場料も出してくれるから、と打算的な姪の私は
いそいそと叔母について行きました。
叔母さん、ありがとう!いい叔母さんを持って私は幸せです(ゲンキンね…)。
















ルドゥーテといえばバラの花、というくらい有名です。本物のバラの花は好き
だけど、今までは絵の題材としてはあんまり興味のない私でした。
が、今回バラ以外の沢山の植物画が壁を賑わせており、予想に反してその美しさ
に感動…。線の美しさ、美しい色の組み合わせ、構図の美しさ、と植物図鑑に
とどまらないアートとしても堪能できます。
さらに驚いたのは版画の技術。何点かの原画の他は全部銅版画で、その銅版画の
精妙さにびっくり〜!(今までなんで気づかなんだ?)

銅板画にも手法がいろいろありますが、その中でも最も難しいとされる
エングレーヴィング(ビュラン彫り)という手法で描かれています。銅板を先の
尖った鋭い刃物状の道具・ビュランで直接彫るのですが、それが髪の毛よりも
細ーーーい線だったりするのです。しかも線の息継ぎがない…。(私もビュラン
持ってますけど、早々に挫折して、ビュラン錆び錆び状態…。)
点描(点刻彫版法と言って、今ではこのレベルを再現できる人はいないらしい)
に至っては、拡大鏡で見ても、よく見えないくらい細かいのです。すごい、
ミクロの彫り師!ちなみに浮世絵と同じで、こちらも絵師(ルドゥーテさん)、
彫り師、刷り師と分業体制をとっています。

エングレーヴィングは高度な技術を要するため、偽造防止の意味からも紙幣の
原版に使われる手法です。エングレーヴィングで有名なのはドイツの画家
デューラーですが、どのようなやり方かはこちらをご覧ください。
http://zokeifile.musabi.ac.jp/document.php?search_key=%83r%83%85%83%89%83%93&change=document_e

ルドゥーテは、マリー・アントワネットとナポレオンの妃ジョセフィーヌの両方に
仕えた宮廷画家でした。フランス革命などの波乱の歴史の中にあって、彼が異なる
政権の両方で美しい花の絵を描き続けられたことにも驚いた私です。
女性の心を捉える術を持っていれば、激動の政変の中でも画家生命は安泰ってこと
かしら〜?

ルドゥーテ展は、渋谷のBunkamuraにて7月3日まで。