06 9月, 2011

淳ちゃんの鍼(はり)仕事

美大時代からの友人・淳ちゃんが、鍼灸マッサージ師として独立開業しました。

鍼が怖い方も多いようですが、全然痛くありません。
鍼を入れるとき、トントントン、と3〜4回ほど鍼の頭を軽く叩くのですが、その最初の一発目がたまに蚊に刺された程度にチクッとすることはあります。しかし、その後は無痛です。「2センチくらい入ってるよー。」と言われますが、痛くはないのです。不思議です。
淳ちゃんはネコを飼っていて、そのネコが寝てるときに鍼を打つ練習したそうですが、ネコは鍼を打たれたことに気が付かず、スヤスヤ寝ていたそうです。

一昨年のある日、淳ちゃんとランチの約束をしていました。その日は頭痛で目が覚めて、しばらく横になっていましたが、一向に頭痛はおさまらず吐き気さえしてきました。ランチのキャンセルの連絡をしようにも淳ちゃんは携帯電話を持たないので、午前中から出かけていた淳ちゃんをつかまえることができません。
待ち合わせ場所に行って断るしかないと思い、頭痛と吐き気に耐えながら待ち合わせ場所に電車で向かいました。また間の悪いことに、その日は、電車が信号故障でしばらく止まっていたらしく、お昼近い時間だったのに、朝の通勤ラッシュ並みの混み具合。頭痛と吐き気の二重苦の体が満員電車の中で、思い切りつま先立ちのナナメになったりして脂汗が出て、生きた心地しませんでした。
やっとの思いで待ち合わせ場所に到着。淳ちゃんに今にも死にそうな声で「ごめん、今日食事できない…。」と言ったら、「今、鍼を持ってるから打ってあげる。少し休んでから帰れば?」と言ってくれました。待ち合わせ場所のレストランの前に順番待ち用の椅子があったので、そこに座って足と腕と首筋に何本かずつ鍼を打ってもらいました。
鍼を打ってから20分も経った頃には、吐き気がなくなっていました。頭痛も軽くなっています。なんか、食べれそうな気がしてきました。淳ちゃんが「じゃ、首に二本置き鍼して、食べちゃう?」と言って、首筋から虫の触角でも飛び出してるみたいに長い鍼を刺してくれました。料理が運ばれてきた頃には、頭痛は完全に消えていて、満席に近いお客さんの中で、私は鍼を首に刺したままフレンチのランチをデザートまで美味しく食べました。
パンにバター欲しい、とさえ思い、「バターください」とたのんだら、淳ちゃんは「さっきまで吐き気してた人が、バターたのむなんて…。」と笑っていました。
その後も淳ちゃんには何度か助けられ、同じような劇的な回復を経験しました。
また、淳ちゃんは漢方の勉強もしていて、紙おむつをしている私の母のために、漢方の手作り軟膏を分けてくれました。口に入れても大丈夫なその軟膏は、私も母もお気に入りの一品です。

鍼には相性みたいなものがあるそうなので、100人中100人が症状改善する保証はないようですが、それは病院を受診しても同じこと。私が鍼を好きなのは副作用がないことと、安心感があることです。病院では、医師は患者に触りもしないことがあり、数分の決まりきった問診で終わることも多いのですが、鍼灸師は必ず脈を診たり、顔色を診たり、いろいろと症状を尋ねたりという、相手に触れながら診る、というコミュニケーションをとります。それが安心感につながります。特に淳ちゃんは丁寧に聞いてくれます。淳ちゃん自身が癌という大病を乗り越えた経験を持っているからだと思います。
淳ちゃんはニューヨークやベルリンなど海外での制作活動の経験もあり、母校の女子美術大学で講師もしてる現役のアーチストでもあります。かなり前から彼女自身の染色体や脳のスキャニング画像などを使って、身体と精神をテーマに作品発表していて、自分でも予想だにしなかった(羅癌→闘病→鍼灸師)というプロセスさえも、今ではアーチストとして切り離せない重要な要素となっているようです。淳ちゃんのホームページ http://junkosuzuki.fem.jp/

現在、井の頭線浜田山駅(東京都杉並区)が最寄の、治療院での施術と往診による施術の両方を受け付けています。ちなみに、かかりつけ医などの”鍼灸治療を認める”という旨の承諾書のようなものがあれば、健康保険が適用されるそうです。予約や施術等についてのご質問はメールでお問い合わせください。
問い合わせ先 : 鈴木淳子  junkosynap@yahoo.co.jp    
淳ちゃんは東京都内在住なので、往診の範囲は関東圏内だと思いますが、念のためお問い合わせください。