19 12月, 2015

色あわせ

私がネックレスを作るとき、色合いを重視します。
色の違うビーズでネックレスを作る場合、隣り合うビーズの色の響き合いで、ネックレスの印象がちがってくるからです。
自分が思っているイメージに近づくまで、何度でもビーズを入れ替えます。
そういう作業をしていると、作業台の上にはいろんな色の天然石ビーズがたまってきて、それを元の場所に分類して戻すのに時間がかかるため、ついついそのまま一つの箱に一緒くたに入れてしまいます。

それが、いつの間にか作品がいくつかできる程度にたまってしまったので、実家に帰ったときにそれだけ持ち帰り、おおまかに色分類をしてみました。
意図せぬ色の選択の集合体は、ランダムでありながら意外に調和がとれていたりして、「あ、これきれいな組み合わせの色だな。」と新しい発見をすることもあります。

赤系、茶系、紫系、白系、青緑系と分けてみたら、それぞれにネックレスができそうだったので、さっそく茶系からネックレスにしてみました。

例えば、茶系のネックレスをつくるとき、同じ茶色のビーズだけ使うと単調になります。
ヘッドに使う石や、ネックレスに合う洋服も限られたものになってきます。

でも、その茶系の中に、イエローやグレイやワインレッドを混ぜていくと茶系の色合いに深みが出てきて、合わせるヘッドの石や、洋服の選択肢が広がります。
そういうふうに色の混ぜ方で印象が違ってくるので、その作業を色合いが気に入るまで延々と繰り替えすわけです。

作業を重ねていると、合わせやすい石、合わせにくい石、というのがだんだんわかってきます。
作家さんによっても違うと思いますが、私の場合、ガーネット、ラブラドライト、ペリドットなどは他の石に合わせやすい石です。一方、トルコ石は他の石に合わせにくいと感じます。個性が強いのです。トルコ石には、シェル(貝)やボーン(動物の角や骨)、シルバーなどの他の素材のビーズが合います。

色あわせをしていると、人に似ているな、といつも思います。
響きあう色(人)、ケンカする色(人)、引き立てる色(人)…、というぐあいに。
まったく同じ色のビーズが連なったネックレスだけでは面白くありません。
いろんな色が響きあったネックレスが好きです。
どんな色のビーズにも、かならず調和する違う色のビーズがあります。
人も同じです。ただ、色数が増えれば、そこに調和をもたらすには時間と工夫とイマジネーションが必要になってきます。

調和(平和)を獲得するには、時間がかかります。