28 7月, 2013

修理も受け賜ります

アクセサリーの実演販売をしていると、「アクセサリーの修理はできますか?」と、時々聞かれる。ロウ付けとか火を使うような修理はできないが、金具を替えたり、切れたチェーンやテグスなどを交換してつないだりなどのご依頼は受けている。

修理後。
今回、べっ甲のネックレスを持ち込まれた方がいた。
べっ甲のひとつひとつのパーツをつなぐ丸カンまでがべっ甲でできていて、その一つが取れて、べっ甲の色と似つかわしくない金属の丸カンで留めてあった。それが目立つので、目立たない丸カンに替えて、なおかつメッキのはげた引き輪という留め具も14金に交換してほしいとのこと。
金属の丸カンは色が何種類かあるが、どれをはめても目立ってしまう。
首の後ろにくる留め金具の両側のべっ甲の丸カンをはずして、前側にある丸カンの抜けたところに付け替えるのが最善策とみた。でも、べっ甲丸カンは3ミリほどの小ささ。はずすとき割れたらどうしよう〜。
じゃあ、べっ甲の丸カンを職人さんがはめる時はどうするのだろう、と思い、ネットで調べてみた。「べっ甲は成形するときお湯で温めてやわらかくする」と書いてあった。
体温でも少しやわらかくなるそうで、そのため体に添いやすい、とのこと。
なるほろ〜。人間でいうと「爪」みたいなものかな。


さっそく自宅にネックレスを持ち帰り、お湯でネックレスを温めて、ちょっとドキドキしながら、そ〜っとべっ甲の丸カンを両手の爪先でつまんではずしてみた。
割れることなく、かといってグニャともならず、はずれてくれた。
べっ甲丸カンをはずした場所には14金の丸カンをはめた。

拡大鏡で本物のべっ甲を見るのは初めてだが、べっ甲の表面に木目のような筋が見えた。亀が成長したときの名残だろう。これが本物か〜。
修理を受けるときは、自分の作品を売る時よりも緊張する。持ち込まれる方々は、そのモノの安い高いではなく、ある種の思い入れから壊れても手放せないでおられるからだ。中には今回のべっ甲を始め、琥珀や本真珠などもあるので、本物を見て触る機会をいただく。修理をすることで、アクセサリーのどの部分が弱いのかもわかる。
勉強になります。