14 7月, 2013

出雲の思い出

色が濃ければ濃い程、硬度が増すようだ。
ただ色が濃くても不純物が混ざっていると
その部分が割れやすい。白っぽいのは
メノウとは言えないが、色がキレイだった
のでワイヤーを施してみた。
ひと月前、出雲市のお隣、松江市の玉造温泉にある花仙山では古代より青めのうを採掘していたという話しを聞いて、採掘跡に石を拾いに行った。
その場所では、さすがに採り尽くされて質のいいものはないけれど、不純物が混ざったものなら多少落ちていて、それを拾ってペンダントヘッドをいくつか作ってみた。

海岸で見つかる波によって磨かれた石は別として、拾った石は多少でも磨かないとそこらへんの砂利石と変わらない外見であることが多い。
でも、磨くときれいな石の肌が現れてくる。石に魅せられる人は、この瞬間がたまらないのかもしれない。

おもて面だけサンドペーパーで磨いてワイヤーをかけた。剣(つるぎ)の形のように見える石は一番のお気に入りだが、もう嫁ぎ先が決まっている。持つ人を守ってくれそうな雰囲気がある。

あの時、山に拾いに行かなければ、今頃あの草ぼうぼうの山の中で土に埋もれていた石ころだと思うと、感慨深い。
本当は自分で石を採取して、磨いて、アクセサリーに仕立てるのが理想なんだろうなー、と今回の経験から思った。実際問題、難しいけど、そういう「出会い」の制作の仕方も心がけていきたい。