09 8月, 2012

新宿「アカシア」


新宿アルタの裏側の路地にたたずむ洋食屋「アカシア」。昭和38年開業の老舗店。支店は羽田空港店とドイツのミュンスター店の2店舗。

「姉ちゃん、いいかげん引っ越し先、探し始めんとダメよ。」と、妹に尻をたたかれ、つい先日妹がお世話になった新宿の不動産屋を一緒に訪ねた。不動産屋にはトラウマがあるもんで、どうも苦手なオーバリー。こちらの条件に近い物件を3つくらいに絞って3日後に内覧、というところまで決めるのに1時間半かかって閉店時間になったので、妹と食事に行ったのがアカシアだった。
最後に行ってから何年ぶりだろう…。たぶん、20年ぶりくらいかも。クラッシックな内装、記憶にある赤い生地を張った椅子。思い出が甦る。そのとき、一緒に行ったひと、そこで見た光景が。

一個入りは450円。
2個入りは750円。
20年前に行った時、わりと奥の方の席についたのだが、一番奥の席に座っていた二人連れの中年男性がいた。普通なら、テーブルをはさんで座るものなのに、その男性二人は入り口に向かって二人並んで座っていて、私は奥に向かって座っていたため、自然と視界に入るので見るともなしに見ていた。二人は恋仲だったようで、会話はなく思い詰めたように手を握り合い、ただただ体を寄せ合っていた。
新宿の裏通りの洋食屋と中年ゲイのカップルと、アカシアの看板メニュー・ロールキャベツシチューが渾然一体となって、私の記憶に焼き付いた。

昨夜は、オムライス(私の好きな、由緒正しい?スタイル)とロールキャベツシチューのセット、それにレバーのカツ(クセがなくて美味しかった)を注文して、妹とシェアして食べた。
改めて店内を見渡すと、内装がクラッシックでとても素敵だ。
これを機会に、また新宿で夕食をとるときはアカシアに行きたいと思う。今日のアカシアの記憶は、不動産屋とレバカツかな…。