21 8月, 2012

石が取り持つご縁

長年、イラストレーターとして一人で自宅で仕事してきた私にとって、京王アートマンの店舗の一角でアクセサリーを作りながら販売するのは、最初は緊張しまくりのドキドキもんでした。人前で作ることにはすぐに馴れましたが、お客様に話しかけるのは勝手がわからず、どのタイミングで話しかければいいのか、それとも話しかけない方がいいのか、などグルグル考えて結局話しかけられず…。てな感じでした。でも、今回初めての聖蹟桜ヶ丘では、いろんな方に出会って、お話しすることができました。

フローライト。別名ホタル石。
暗闇で、フローライトの破片を火に
くべると、ホタルのように発光する
のが名前の由来。この紫から青の色の
層を見ていると時間を忘れる。
最終日は、一年の入院生活から退院してきた帰り道、とおっしゃる男性とお話する機会がありました。
男性が見ていかれることは滅多にないので、最初、誰かのプレゼントでも探しておられるのかな?と思ったら、使用している部品について訊かれたので、同業者かな?と思いました。
お話を聞いていたら、趣味でアクセサリー作りされていて、病院では無菌室に入ってらしたそうで、そこに道具を持ち込んで、いろいろと作っては誰かにプレゼントしたり、退院の時は看護士さんたちのために天然石のストラップをたくさん作ってきたのだとか…。
石はどこで仕入れるとか、石のお店でどう交渉するとか、興味深いことをとりとめもなく話されて、「今日は退院してきたばかりだから外にいるけど、普段は雑踏など避けないといけないから、滅多に外に出られないんです。」とおっしゃいました。

ひとしきりお話したあと、「お話できて楽しかったです。」と言っていただき、男性は帰っていかれました。お互い楽しく話しができたのも、きっと天然石のパワーのお導きかもしれません。
お名前も存じませんが、またいつかどこかでとりとめもなく、石の話しをいたしましょう。