16 12月, 2011

豚汁うどん

冬は豚汁が食べたくなる。昨日、豚汁を多めにつくっておいた。今日の昼も食べた。今夜も同じでは芸がないので、豚汁にうどんを入れることにした。
うどんの乾麺はだいたい常備しているのだけれど、探してみたら今年の始めにいただいた稲庭うどんの乾麺しかなかった。稲庭うどんは高級うどんだから、ホントはちゃんとしたダシをとった澄まし汁でいただきたいところだが、豚汁うどんは私にとって思い出のうどん。桐の箱に入った高級うどんを豚汁に入れるのは邪道かもしれないけど、思い出に浸るために、思い切って入れてみた。

以前関わっていた雑誌の編集プロダクションの会社では、原稿を印刷所に入れる前の10日間くらいは、6〜7人くらいのスタッフが夜の11時くらいまで毎日のように残業していた。フリーのイラストレーターの私も、「これ、明日までにできる?」というような急ぎのやっつけ仕事を編集部で描いていたものだ。一時期、社長自らが夕食時になると事務所のせまい台所に立って、大鍋で豚汁うどんやカレーうどんをつくってくれていた。
当時のスタッフも今はバラバラ。若くして亡くなった人もいる。社長は資金繰りに失敗し、編集プロダクションの会社自体もなくなった。
会社がそこそこ順調で、残業の合間にうどんをふーふー言いながら食べていたのは、ほんの12〜3年前のことだ。それとも12〜3年前のこと、か…。

豚汁うどんは思い出の方が美味しかった。豚汁に入れるうどんは安い太麺のうどんに限る。