25 1月, 2013

映画「レ・ミゼラブル」

〜たまにはロードショウ・キネマ大羽〜

今までセリフを普通に言っていたのに、いきなり歌い出すミュージカルが苦手(というか入り込めない)で、ミュージカルの舞台は見に行ったことがない。

そんな私を友人が、早めの誕生日プレゼントとしてミュージカル映画「レ・ミゼラブル」に連れていってくれた。
いくら評判いいと言っても、やっぱセリフの途中でいきなり歌うんやろ?と100%疑いのまなこで映画館へ。
しかし、予想(映画には入り込めないだろーなー、と予想)に反して、何だか良かった。
セリフの途中でいきなり歌い出すという不自然さもなかった。なぜなら、最初から最後までずっと歌っていたから…。


迫力の映像に音楽(歌)がとてもマッチして、上質のオペラを見ているような気分になる。何と言っても出だし(巨大な船を囚人達が引くシーン)がイイじゃないですか〜。出だしからいきなりハートをワシづかみ状態。掴みはオッケー、まんまと映画に入り込んでしまった。

たった1個のパンを盗んだ罪で19年間も投獄された男が、釈放後一夜の宿をとった教会で再び盗みをしたところを、神父の温情によって罪をまぬがれる。それを境に男は改心するのだが、罪人は罪人のまま変わらない、と信じる警部の執拗な追跡に苦しめられ…。というストーリー。そこに、男が最期を看取った娼婦の娘を引き取ったり、革命運動に巻き込まれたり、という波乱繁盛の人生が展開する。

その男、ジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマン、娘コゼットの恋人マテウス役のエディ・レッドメイン、とごひいき俳優さんの出番がたくさんあって、歌もお上手でオバチャマは嬉しかったワ〜。テレビ映画では何度も見ているからストーリーは知っていたけど、それでも後半涙がこみ上げて…。
ただ…、ん〜、ジャベール警部だけが私のイメージとちょっと違った(好みの問題ですかねー、歌もねー…)。以前テレビ映画でジョン・マルコビッチが演じていたことがあって、その冷徹さがサイコーだったもんで、ラッセル・クロウが健全な感じで歌うたんびに、マルコビッチが歌ったらどんな感じじゃろ〜?と想像せずにはおれなかった。もちょっと憎々しげにクセものっぽく歌ってほしかったけど、好みかなーあくまでも。

また、幼いコゼットが預けられていた宿屋のあこぎな夫婦が、テレビ映画にはなかったコミカルさでチンピラぶりが表現されていて、それがまたよかった(妻役のヘレナ・ボナム・カーター姐御、サスガです)。ミュージカルならではの良さだね〜。私の中のミュージカル食わず嫌い度が少々薄くなったわい。
その他にも、パリの街を走り回る少年、下水道(見れば納得…)など、見どころ満載。

DVDになるまで待たずに、迫力の映像美を映画館の大画面で是非見るが吉でごさいます。

映画を見終わって帰ってからというもの、”命をかけて守るものがある人は幸いである”という声が心の中から聞こえてくる。私には、命かけて守りたいものは、…ない…。(ってこたぁ、不幸かや?)死ぬまでにソレは見つかるのだろうか。ジャン・バルジャンはある意味、幸せな人だったのではないかと思いながら、いつの間にか主題歌をハミングしている。
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娼婦になるしかなかったフォンテーヌが歌う主題歌「夢やぶれて」の歌詞を、映画で初めて字幕で見たけど、けっこう絶望的な歌詞だったんだ〜、と知りました…。名曲です。(左の映像のA・ハサウェイが歌う歌は、途中、はしょってあります。コピー防止のためでしょうねー。)
<歌 詞> 過ぎ去りし夢の日 希望に満ちていたあの頃/とわの愛を夢みて  神もお許しになろうと/若さゆえの 怖さ知らず  夢は はかなく破れ /何もない 私はここに  歌も歌い尽くし 酒も飲み干した/でも 虎は今夜やって来る 雷のように低くうなり /希望を八つ裂きにし 夢も恥と変わる私は夢を見る あの人が・・・  共に人生を歩んでくれると /でも 叶わぬ夢もある  避けきれぬ嵐もある/こんなはずじゃなかった  こんな地獄で暮らすとは /こんな哀れな姿で  夢やぶれし 我が人生