13 1月, 2013

松本でお茶を

今年の正月は、要介護の母を連れて行った温泉では予約した家族風呂をトリプルブッキンング(!)されて結局温泉に入れなかったし、一晩中嘔吐する母を看病したらお腹にくる風邪をもらって私も2日間寝込んでしまうし、そのため仕事の〆切は破ってしまうし、母は言うこときかないし、でトホホな年明けでござった。

このままでは不完全燃焼してしまう、と思い、東京に戻った翌日が青春18きっぷの使用期限だったため、残った切符で松本(長野県)までお茶しに行くんじゃ!という思いが湧き上がって止まらなくなった。
ただ、ひとりだと当日気持ちがくじけるかもしれないと思ったし、切符の残りも2人分あったので、友人知人に(4〜5年会ってない人にまで)声かけてみた。が案の定、平日のしかも2日前の直前すぎる誘いに乗ってくださる方はおらず、軒並みお断りを受けた。
そうよね〜、普通は仕事だわよね〜、誘ってる私が変なのよね〜、と思いながらも、9人目にお誘いしたメタルエンボッシングの先生が「松本って行ったことないから、行きたいわ〜。」とおっしゃって、一緒に出かけた。

 18きっぷは普通電車か快速電車しか乗れないので、うちの最寄り駅から松本まで5時間弱。 時間によっては高尾からは乗り換えなしで中央本線1本で行ける。 懐かしい文化の薫りがする松本は好きな街で、今回で行くのは6回目。 今日は運良く晴天で、車窓から見える空は青く、雪を頂いた山の景色は美しく、クサクサした気持ちも少し晴れるようだった。
 松本駅に着いたら観光案内所に行って地図をもらって、前回来た時にはなかった無料レンタサイクルの場所を確認して、自転車を借りに。帰りの電車まであと約3時間半松本に居られるので、効率よく動かねば…。

まずは遅めのランチでおそばを食べに老舗の”こばやし”に。私は空気の抜けた自転車こいで暑かったので、ゴボウ天おろしそば(冷やし)を注文。美味しゅうございました。
 お会計のときに「近くに自転車屋さんありませんか?空気入れたいんですが。」と尋ねたら、「うちの空気入れ貸してあげて。」と奥でまかない食べていたご主人が言ってくれ、貸してくれるだけだと思ったら板さんが空気まで入れてくれて助かりました。
美味しくて人情に厚い”こばやし”。次回も行こう〜。

 食後は古民家の風情もステキな松本民芸館に行くつもりだったが、”こばやし”のご主人の「自転車で民芸館?いや〜、それはキツイな。民芸館までずっとだらだら登り坂だし、道があまり良くないよ。」という声にあっさり予定変更。

腹ごしらえが終わったら、近くの松本城とその裏手にある重要文化財の旧開智小学校(300円)へ。松本6回目にして初めて開智学校の中を見学。明治6年の建造なので約140年前の建物。現存する日本最古の小学校。
和洋折衷のなかなかステキなデザイン。今の建築はなぜこういうのを造らないのかしら〜?

学校を見た後は、隣りにある旧司祭館(無料)を見学。木造の壁の水色が美しい。これも明治時代の建造で120年以上たっている。


さて、ちょうど自転車を返却する時間(5時)となり、返却後、一番の目的の喫茶店「まるも」へ。松本に来たら必ずここに寄る。松本民芸家具の創立者が昭和31年に設計・開店したという老舗の喫茶店。店内は全て松本民芸家具で統一されていて、クラッシック音楽がずっと流れている。先客はひとりだけ。あ〜、落ち着くな〜。(落ち着き過ぎて写真撮り忘れ。)閉店の6時に店を出て、歩いて駅に戻ってちょっと土産物を物色したら、ちょうど帰りの電車の時間。

松本が初めてだった先生も松本がお気に入りになったらしい。よかった、よかった。