01 12月, 2012

贈る、ということ

府中アートマンでの12月の実演販売、始まりました。
アクセサリーという性格上、男性はめったにいらっしゃらないのですが、今場所は初日から男性のお客様が。
illustrated by obarie
最初、ジーッと作品たちを見つめている、その見つめ方と季節的な理由から”クリスマスプレゼントかな”、と思ったのですが、意に沿うものがなかったのか、どこかへ行ってしまわれました。でも、しばらくして、同じ男性がまた先ほどと同じようにジーッとアクセサリーを前に腕組みして見つめていらっしゃいました。「プレゼントをお探しですか?」と聞いたら、やはりそうでした。
どちらかといえば寡黙な感じのその方は、「彼女が天然石が好きでプレゼントしたいけど、彼女は石のことに詳しいから…(ヘタなものは贈れない、何を贈れば喜んでもらえるのかな〜、悩ましい…→これは私の推理)」とだけおっしゃって、またジーッと考えてらっしゃいます。
言葉少なながらも会話を交わした直後、「これにする」と、男らしい決断を下されて、かわいい指輪をお買い上げ頂きました。
私は「何か、これにメッセージ書いて贈ってください」と、天使をパンチしたミニメッセージカードを差し上げました。

贈り物をもらうとき、贈る人がそれを探しまわっている時間とか相手を想っている心のはたらきとかは、現実としてはそこには見えずらいものです。でも私は、その贈り物を探す姿と気持ちこそが、いちばんの贈り物なんだなー、と、その男性のお客様と接して思いました。

恋人も夫婦も、親友であっても、長い間には波風の立つ時があるでしょう。もし私が天使だったら、いつかふたりの間に波風が立った時、今日目の当たりにしたような光景にリボンをかけて、ふたりの間にそっと置いてみたい、と思いました。