12 3月, 2012

ばふれちゃん

ばふれちゃんとは、母が、父の女友達を総称してつけた呼び名。ばばフレンドの略。
父は老人会の役員などを長年やっていたり、公民館で踊り(演歌や民謡に合わせて踊るレベルの)を教えている(サークル的なノリだと思う)ので、70歳以上のおばさまたちの知り合いが多い。
4年くらい前に、母が3ヶ月くらい入院したときから、近所のばふれちゃんたちが家でひとり暮らす父のために夕食の差し入れを持ってきてくれるようになった。父はきっと「家ん中んこつは、オレがぜーんぶしよっとさー。」とでもふれて回っているのか、母が退院してからも現在まで、その風習(?)は続いている。実際、母はテレビの前でボーっと座っているだけ(だからボケた?)で、家事を一切やらない。
父に差し入れしてくれるばふれちゃんは何人いるのか訊いたら、「5~6人かな…。」と言っていた。
さすがに最近は頻度は減ったものの、私が実家にいる2~3週間の間でも数回いただく。同時ではないけれど、数人から差し入れが来るので、どの容器が誰の容器かわからなくなり、返そうにも返せず、台所に容器がたまっている。年末に来てくれたばふれちゃんは、「容器だけもろうて帰ってよか?」と言って、玄関先で待っててくれた。みなさん父の不精さを学習したのか、最近は、返却しなくていいようなやつに惣菜を入れてきてくれるようになった。不在の間に玄関先に置いてあることもある。名前が書いてないので、誰だかわからないことも…。
父も普段からばふれちゃんたちにサービスしてるらしい。畑を無償で貸したり、4人くらいを車に乗せて花を見に行ったり、みかんや野菜をおすそ分けしたり…。
今年のゴールデンウィーク直後には、ばふれちゃんたちと温泉に行くらしい。男は父ひとりである。女性陣はご主人に先立たれた人たちだと思うけど、我が父ながら、すごいな。「おまえ、ゴールデンウィークの頃は帰ってくるや?ばふれちゃんたちと温泉行くとばってん…。」と言う。母をひとりにできないので、その予定に合わせて帰ることにした。

ばふれちゃんたちのおかげで、父も老老介護のストレスを発散できるのだろう。私や妹も、ばふれちゃんたちには感謝している。
ついさっきは、昆布巻きが玄関先に置いてあった。今夜のおかずが一品増えた。ありがたや。
いつまでも父と遊んでやってくださいませ~。