09 3月, 2012

春の味

父の畑の周囲にツクシがいっせいに頭を出した。小学校から中学校にかけて、春休みになるとよくツクシを摘んでいた。摘むことが楽しくて、摘むだけ摘んで、ハカマ(つくしの胴体にくっついてるギザギザのもの)をむくのは、すぐに飽きて大人たちにまかせていた。今回も、父と母がせっせとハカマをむいてくれた。
ツクシとスギナは同じ地下茎から出てくる。つくしが終わるころ、スギナがいっせいに姿を現す。このスギナが畑に入り込むと、なかなかやっかいらしく、父はこのスギナ(つまりツクシも)がたくさん出てくる畑の脇に除草剤をまいたらしい。
私がツクシを摘んでいると「お~い、そこは除草剤まいたとこやけん、そこんツクシは食べられんぞ」と、背後から父の声がした。そこで摘んだツクシは捨てて、除草剤をまいてない場所に移動して仕切りなおし。
しかし、ふと思った。”除草剤をまいたはずのところにツクシがびっしりはえてるってことは、除草剤は効いてない?”
そこには普通の雑草は確かにあまりはえていなかった。つくし(すぎな)の生命力はとても強いんだなー。スギナは薬草としても優れている。美白効果や傷の治療、利尿作用促進など、いろいろ。民間療法の世界では万病にいいらしく、癌に効く、とも言われている。カルシウムを多く含み、ほうれん草の150倍と書いてあるサイトもある。
ドイツでも昔から薬草として使われていた。
参考:http://olive510.blog.fc2.com/blog-entry-54.html

ツクシは、ハカマをむいて下茹でした後、だし汁に醤油とみりんとわずかの塩を入れたものでツクシを煮て、煮立ったところに溶き卵を入れて卵とじにしていただいた。ツクシの頭にかすかな苦みというか香りというか味わいがあって、おいちい。また摘みに行くです。

------------------------------------------------
ツクシを摘むなら、頭が開ききってないものを摘んだほうが美味しい。頭には胞子がいっぱいつまっていて、頭が開くと胞子が飛んでいく仕組み。