15 10月, 2013

組み合わせるということ

十年以上も前にバンコクの問屋街で買ったアフガニスタンのオールドシルバーをネックレスに仕立てています。11月〜12月にかけての展示販売用です。
トルコ石が嵌められた四角いシルバーは、イスラム教の信者が身につけていたもので、教典を形どっているそうです。
長いこと手つかずだったのは、ネックレス部分をどういう石で組み合わせればいいか思いつかなかったからです。

アクセサリー制作を始めたばかりの頃、ネックレスの石(色)の組み合わせが単調でダサくて、やり直してばかりいました。海外の美術館に行った時は、アクセサリーをよく見るようにしていて、ノートに石の組み合わせなどメモして頭に叩き込もうとしていました。
それでもなかなか組み合わせ方のアイディアが自分の中からは出てきませんでした。

今では、手を動かしていると”ここにこの色を入れるとキレイかも”と自然と思いつくようになりました。それでも何度か石を入れ替えたり試行錯誤することもあります。
最近思うのですが、私の場合、写真やひとの参考作品を見るだけではダメで、やはり作る数をこなすことが大切なようです。スポーツと同じです。他人の模範演技を見ることも大切ですが、数限りなく練習を実際にやってみないと体が憶えないのは、絵を描くのもアクセサリー制作も同じです。
何回も組み合わせをやり直し、「あ、きれい!」と感じた組み合わせを、手と頭に憶えさせます。組み合わせは、数限りなくあり、色が同じでも素材が違うと別のものに見えるし、違う色のビーズの場所が1〜2個ずれただけでも印象が変わってくるから不思議です。

例えば、どんよりとした灰色のような土気色のような、単体では一見キタナいような色の石があるのですが、それを別のある石と組み合わせたとき、とてもキレイに見えることがあります。そういう瞬間を見るのが大好きです。
色は不思議です。
美大受験のために予備校に通って水彩画を毎日せっせと描いていたとき、講師がよく言っていました。「キタナい色ってないんですよ。」と。キタナく見えるのは組み合わせのせいなのです。どんな色でも、お互いの色がキレイに見える組み合わせが必ずあります。