23 8月, 2012

「フェルメール光の王国展」で思い出した

叔母に誘われて、「フェルメール光の王国展」を銀座に見に行った。(26日・日曜日まで開催中)
全て”リ・クリエイト”と呼ばれる原寸大の複製画37点(世界中で確認されているフェルメールの全作品)で構成されている。
本物より色が濃いので、「やっぱ複製画じゃん」と思ったけど、フェルメールが描き上げた当時の色合いを(どうやってわかるんじゃ?)再現してあるとのこと。
だとしても、部分的に濃い(人物はそうでもないのに、布だけ濃い、とか)感じもするんだけど…。フェルメールの”売り”であるところの、微妙な光の表現も(記憶の中の)本物と比べるとイマイチな感じがした。
でも、全作品が一堂に見れることと、風景だけの作品など今まで見たことのない作品があるので、複製とは言え、一見の価値はあるかも。また、絵の中に隠された記号的な意味の解説もあるので、謎解きが好きな方には面白いかも(でも、私は疲れていたので読まなかった…)。絵を”観る”というよりは、絵を”読む”という感じの展覧会だと思う。そして、それが1000円に値するかどうかは各個人の感じ方次第ですかね。

でも面白かったのは、フラッシュさえ焚かなければ、写真撮影OKなとこ。皆、バンバン撮影してました。観光地にあるような、看板の穴に顔だけ突っ込んで写真撮る(これで貴女も貴男も真珠の耳飾りの少女!)、みたいなのもあるので、カップルで楽しめるかな…。

この展覧会を見ていて思い出したのが、チェコの地方にある古城の街チェスキークルムロフにあるエゴン・シーレミュージアム。
エゴン・シーレ大好きオーバリーは、同行した友人Yちゃんと勇んで入館。
しかし、程なくして気がついた…。アレ?…もしかしてコピー???
しかも、陽に焼けたみたいに色あせている…?
近くにいた欧米人の口からも”copy”という単語が聞こえてくる。「…ま、まさかね〜。」と、Yちゃんと、絵に顔を限りなく近づけて今一度確認。
…そうよね、これ、キャンバスの凹凸も見えないし、コピーだわよね…。
えぇっ〜!?!?全部コピーやんけ〜Σ(O_O;)!!マジ〜?と絶句した…。(E・シーレが作った人形みたいのは実物だったみたいだけど。)
ここ、美術館じゃなくて、資料館やったんけ〜?

少なくとも、3年前はそうであった…。凹凸まで再現してある複製画ならまだしも、壁に貼ったまま色あせたポスター的なのが額に入れてあったのであった。
なので、もし、チェコのエゴン・シーレ美術館にこれから行かれる方は、入場券(700円くらいしたんじゃなかったっけー?)を買う前に、美術館スタッフに訊きましょうね。
「エゴン・シーレの絵は本物ですか?」ってね…。
残念ながら(予想通り)NOの返事が返ってきたら、ミュージアムの売店は充実してるから、入場券買わずに売店だけ入ってお土産買いましょう。アンティークの磁器のカップ&ソーサーのセットもあって、Yちゃんはお手頃価格でそれを買って、「これが買えて嬉しい。次回は、これだけ買いにまた来るわー。」と言っておりました。でも、チェスキークルムロフの街はとてもステキです。少なくとも1泊して、オーストリア人のE・シーレが惚れ込んだ城の街の風景を満喫してください。

ああ、懐かしい…。色あせたポスターのようなE・シーレの絵さえも…。