22 9月, 2013

リセット

あんなに健脚だった伯母が、今はほとんど歩けない。ホテルで借りた車椅子を押して、湿原の木道を歩いた。
伯母の喜寿を祝して、以前伯母がよく山登りに連れていってくれた大分県の久重へ伯母と出かけた。10代前半から30代前半にかけて、伯母とたびたび訪れた。その頃は、父とそりが合わなかったこともあり、伯母の懐が私の逃げ場所だった。
高校の時、父との関係はサイアクで、「久住山のてっぺんからあんたが飛び降りるんじゃなかろうかと、あんたから目が離せんかったよ」と、今頃になって伯母が言う。
そういう時もありましたね。

湿原が広がる長者原の空間は広大で気持ちいい。
ワタシはと言えば、「おばちゃんの喜寿を祝おう」と言って伯母を誘い出しておきながら、宿代は伯母が出してくれたんでございます。伯母は「誰のお祝いだかね」と言いながらも、「誘い出してくれてアリガトウ。」と付け加えてくれた。
老いてもなお家庭問題を抱える伯母は、リフレッシュできただろうか。
私はリセットされすぎて、仕事へのモチベーションが消えてしまいそうです。